展示情報
©Michael Malyszko
キャラクターデザインはアーティストがスケッチを描き、マケットと呼ばれる粘土模型でキャラクターの特徴を把握することから始まります。
次にデジタルモデラーがマケットをデジタルスキャンするなどしてバーチャル3Dモデルにします。点と点をつないだ“デジタルワイヤーフレーム”になった最終の状態を“3Dモデル”と呼びます。
©Michael Malyszko
キャラクターに仮想の骨や関節、筋肉をつくるのがリガーの仕事です。
例えば、腿を上げたときに膝が自然に曲がるように“リグ”でキャラクターの体の「パーツの動作」を決めます。
アニメーターがキャラクターのポーズを簡単かつ効率的につくるには、リグの数・場所・曲がる角度などが適切につくられている必要があります。
©Nicolaus Czarnecki
物の見え方は、ストーリーそのものです。素材は何か。新品か、古びているか。手入れされているか、放置されたままか。
バーチャル3Dモデルができると、サーフェイシングアーティストは“シェーダー”と呼ばれるコンピュータープログラムでその表面を加工します。シェーダーが物に当たる光の散乱方法を調整する事で、表面を光沢ある透明なガラスのようにも、鈍色でザラザラの錆びたようにも表現できます。
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©Michael Malyszko
映画に必要な物はキャラクターだけではありません。ストーリーボードに描かれたイメージをリアルな世界に変えるには、小石・木・建物などシーンに合ったセットが重要です。
セットデザイナーの役目は、フレーム内でのセットの見え方を検証し、ストーリーの文脈や背景、情感を伝える事です。彼らは建築家のように地面から仮想世界を構築していきます。
カメラアーティストはバーチャルカメラを使って、ストーリーが伝わる構図、カメラの動き、レンズの種類を選択し、スクリーンに映し出される物を形にしていきます。
©Nicolaus Czarnecki
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ピクサーのアニメーターがキャラクターに演技をつけることでシーンに躍動感が生まれ、ストーリーに生命が吹き込まれます。まず、動きの中でポイントとなる位置を区切る“キー・フレーム”をつくる事から始めます。
次にコンピューター・プログラムでキー・フレーム間の動きを描写し、アニメーターが望む感情をキャラクターに表現させます。
©Nicolaus Czarnecki
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キャラクターの髪の毛・毛皮・衣類が本物のように動くようプログラミングするのがシミュレーションプログラマーの仕事です。
プログラミングの情報量と技術的制限、シミュレーションを起動する際にかかる時間との間でバランスを取りながら、火や水のような「自然現象の物理法則」を作品の世界観を基に設定することから取り掛かります。
©Michael Malyszko
照明効果はストーリー上で不可欠な要素です。観客の視線を誘導し、情感あふれるシーン表現の役割も担います。
光の色や位置、明るさなど、照明効果に求められる要素はプログラムされており、照明デザイナーがコンピューター上でバーチャル照明をつくります。
©Nicolaus Czarnecki
ここまでの工程でバーチャル上でのシーンは完成です。
キャラクターには影とポーズがつけられ、照明とカメラは所定の位置にセットされ、シミュレーション効果の準備も整いました。
ここからは最終的な映像へと仕上げるレンダリングの工程に入ります。ピクサーは各工程を低解像度で進め、最終段階で高解像度のレンダリングを行い、効率的に作品を完成させていきます。