近藤丈靖「中田エミリーを考察する」
2017年1月 4日 14:39
去年12月23日に、
私にとっては刺激的なお仕事がありました。
某局の元局アナで、現在はフリーで活躍する中田エミリー氏とのお仕事です。
中田エミリー氏のBSNラジオの番組「とりあえず生で」の公開生放送に、
2時間半、ゲスト出演させて頂いたのです。
同業他社出身アナとの仕事というのはほとんどなく、
しかも、何と言っても、中田エミリーですからね。
私も、一リスナーとして、一視聴者として、大ファンでしたから、前日までとても緊張していました。
そして、ここもポイントなのですが、
「私がゲスト」という位置づけでなく、
「2人の番組」というスタンスでやって欲しいという制作サイドの意向がありました。
私は「そんなそんな、エミリーの番組なんだから出過ぎない方が良いでしょ」
と言っていたものの、
それは制作者の意図に反するようで、
私には「グイグイ行って欲しい」という指示だったのです。
となると「エミリーの番組にお邪魔している」という謙虚さは持ちつつも、
エミリー氏に負けてはいられません。
大事になるのがお互いの呼吸です。これが面白いところであり難しいポイントです。
しかし、そんな心配も杞憂に終わり、
エミリー氏のお蔭で非常に非常に楽しく2時間半の生放送をやらせて頂きました。
私も今回御一緒するまで殆どしっかり話をした事がなかったのですが、
実際に一緒に組んでみると、エミリー氏の色々な面を感じる事が出来ました。
まず、放送でも放送外でもあのまま。
テンションが高く、明るい。しかも、その明るさが決して押し付けがましくない。
周りを笑顔にしてくれる心地よい明るさなのです。
放送だと明るいけど、実際はものすごく暗くて神経質という人がたまにいますが、
エミリー氏は裏表のない明るさです(笑)。
さらに、とても気配りのある人でした。
こちらが喋りやすいように、雰囲気を作り、話を振ってくれます。
その気配りというのは、放送前の楽屋での時間もそうでした。
元気だけど、周りが見えていない人ではなく、
元気で、尚且つ、ものすごく周りが見えている人ですね。
そして、声が素晴らしい。隣で生声を聴き、ビックリしました。
とても艶のあるいい声です。
尚且つ、ここが大事なのですが、声量がすごい。
ですから、声の強弱を自由自在に変化させる事が出来、
ボリューム控えめでしっとりとした雰囲気も出せれば、
ぶっ壊れたようなハイテンションも出せれば、
ボリュームのあるパンチの利いたセリフも言えるのです。
つまり、ああ見えて、と言っては失礼ですが、
人柄、そして、我々アナウンサーの基本である腹式呼吸、
こういった基本の基本がしっかり出来ているからこそ、
県民に愛されるお喋りや読みが生まれるのです。
我々アナウンサーは、
キャラが立つだけならただのタレント崩れになってしまいます。
基本の裏付けがあった上でキャラが立っている。
これは我々アナウンサーの理想の姿です。
中田エミリー氏との仕事はとても刺激的でした。
私が感じた事を後輩アナたちと共有し、
BSNアナウンサー陣の益々のレベルアップを図っていきたいと思います。
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