新潟県福祉保健部健康対策課課長で医師の中山 均 さんに、新潟県の健康寿命延伸への取り組みについてお話を伺いました。
■ 新潟県の「健康立県」の取り組みに関して
Q.そもそも「健康立県」とは、どのようなものですか?
全国でトップクラスの健康寿命を誇り、全ての世代の方が、生き生きと自分らしく暮らせる新潟県を実現することを目指して展開している活動です。
Q,なぜそのような取り組みを始められたのですか?
新潟県民が健康で長生きして、人生の最後まで自分らしい生活ができるようになるためには、ひとりひとりが自分の健康状態へ関心を持って、健康作りに取り組みやすい環境を整備することが大切であると考えました。
「住んでよし、訪れてよし」の新潟を作るため、健康寿命を伸ばす努力を県民と一体となって進めていきたいと思っております。
■ 新潟県の健康寿命
Q.新潟県の健康寿命は、どのような他の地域と比べていかがですか?
男女とも平成22年と28年の調査結果を見比べると、健康寿命の全国順位は上がっています。
(男性 36位→10位。女性は23位→11位)。
取り組みの成果が表れてきていると思われます。
Q.男女ともこれほど順位が上がった要因は何でしょうか?
様々な要因が考えられますが、その中のひとつに減塩対策があると思います。
新潟の健康課題は、脳血管疾患の患っている方が多い、胃がんの死亡率が高いことということでした。この原因のひとつに、新潟県民の塩分摂取量があるのではないかと考え、平成21度~30年度を運動期間とした「にいがた減塩ルネサンス運動」 を展開しました。
地道に続けてきた減塩の取り組みが、(健康寿命の長さの)順位の上昇につながったと思っています。
Q.この他新潟の特徴や課題はありますか?
良い点としては、新潟県の方は野菜を多く摂る、男性のBMI(肥満度を示す指標)が全国平均より低いことが挙げられます。
逆に課題としては、まず1日の平均歩数が少ないということ、また改善はしていますが、まだまだ全国と比べると、まだまだ塩分摂取量が多い点が挙げられます。新潟の方は塩蔵品を好む方が多く、お米やお酒に合うこともあり、塩分を多く摂取してしまいがちです。減塩は常に意識をすることが必要です。
Q.これらを解決するために取り組まれていることはありますか?
「健康立県」を実現するために、市町村や関係団体、企業などと連携・協働した県民運動を展開していきます。
県民一人一人の健康への意識を高める機運を醸成するとともに、医療・介護予防の充実を図っていきます。
仮に病気になってしまった時でも、生き生きと暮らせる新潟を目指していきます。
Q.最後に一言お願いいたします。
健康寿命を伸ばすためには、個人で意識して健康に対して取り組みを行っていくことが肝要ですが、同時に、社会全体で、健康増進を推進する環境を整備していくことも重要です。
みんなで一体となって、より良い新潟県を作っていければと思います。