健康寿命は若いうちから意識しましょう!

 

第4回目は、阿賀野市 民生部健康推進課 漆山薫さん、森緑さんに、阿賀野市の健康寿命延伸の取り組みに関してお話しをお聴きしました。

 

Q.阿賀野市ではハタチの新成人に健康に繋がるプレゼントをあげているそうですね。

阿賀野市では成人の門出の御祝いに、健康診断を無料で受けることができる「20歳(ハタチ)の健康プレゼント事業」を行っています。自身の健康状態を知り、将来的な生活習慣病の予防につなげて頂きたいと思っています。また阿賀野市では中学生の時にも血液検査を実施しており、その時の結果と比べることができます。

 

Q.「20歳(ハタチ)の健康診断」はいつ実施しているのですか。またどれぐらいの方が受けているのですか。

成人式の前日及び、当日の式典前後に実施しています。去年の受診人数は110人の成人が受けてくれました。今年で5回目を数える事業ですが、毎年3~4割くらいの新成人が受診しています。

 受けて頂いた方には、市から商品券やヨーグルトなどもプレゼントしています。

 中学生とのデータを比べることができ、受けた方は非常に喜んでくれています。

20歳の健康診断①.jpg 20歳の健康診断②.jpg

 

 

 

Q.健診結果からどのようなことが見えていますか?

 健診を受けた方の半数以上が、受診が必要、または要経過観察という判定が出ています。

その中でも、血圧、コレステロール、尿酸の値が高い方が目立ち心配です。

年齢を重ねるとさらに検査結果も悪くなり、病気を発症する危険性も上がってきますので、少しでも気になる所見があった方はそのままにしないで頂きたいです。

また、私たちも若いうちから正しい生活習慣を身につけることの大切さを伝えていかなければならないと感じます。

 

Q.中学生での検診はどのようなものですか?

中学生に対し血液検査を行っている市町村は県内でも何カ所かありますが、20歳のデータと比べる試みは珍しいと思います。この検査データは新潟大学に提供し、若年期の病気の発症や生活習慣との関連性などに関する共同研究を行っています。 

 

Q.中学生にも健康上の課題はあるものですか?

 

実は中学生でも、軽い症状を含めますと、約半数が異常という結果が出ています!

特に血糖値は4人にひとりが引っかかっています。

 

Q.その理由はどのようなことが考えられますか?

まず 野菜不足 が挙げられます。対象の中学生の食事の調査結果では、1日の野菜の摂取が240gほどでした。350gが目標とされている中、110gも不足している計算になります。

糖尿病予防に関係する食物繊維が足りない生徒も多く見られました。

 

また阿賀野市では、親世代で高血圧の方が多く見られます。

塩分の多い食事が大きな原因と考えられますが、それはこどもにも影響を及ぼしています。

阿賀野市のこどもたちは、塩分摂取が多いのに、野菜の摂取が少ないようです。

 

食習慣は人それぞれなので、一概には言えませんが、作って食べるより出来合いのものを買って来て食べるものに影響しているのではないかと考えています。

 

Q.他に見えてきた課題はありますか?

 新潟大学の解析では、体力テストの成績が低い方のこども、特に筋力・持久力の低いこどもが肥満や血糖などの代謝異常のリスクが高まるというという結果が出ています。ただ逆に、どちからの力を上げていけば、そのリスクは下がるということですので、こどもたちに運動習慣を持たせるような機会を増やしていきたいと考えています。

 

Q.「健康寿命」というと、ご年配の方の話で、若い頃には関係ないと思いがちですが、やはり若い方も意識していかなければならないのですね。

 生活習慣病は自覚症状がなく、気が付かないうちに進行しているパターンが多いですので、若いからと油断せずに、若いうちから生活習慣を意識して、自分自身の健康状態を把握するためにも、健診を定期的に受けて頂きたいと思います

 

 また阿賀野市としては、健診結果を通し、本人だけでなく家族みんなで生活習慣を考え、健康意識が向上していくような働き掛けをしていきたいと考えております。