「糖質」を意識した食習慣を!

 

第7話は「糖質」について

料理研究家で栄養士の松丸まき(まつまるまき)さんにお話しを伺いました。

松丸さんはフリーランスの料理研究家・栄養士として県内で幅広くご活躍をされています。

イベントでの料理教室や、企業などの依頼を受け、レシピを考案するなどしています。

 

Q.「糖質」という言葉は健康に詳しくない私でもよく聞きますが、そもそも糖質とはどんなものなのですか?

「糖質」と聞くと、「糖」という言葉から、砂糖や果物など甘いものを連想される方が多いと思いますが、実は「炭水化物」から「食物繊維」を除いたものが 「糖質」 になります。

具体的には、お米、小麦粉や芋が原料になっている食品や、もちろん砂糖や果物にも多く含まれています。

 

Q.新潟の人にはドキッとするものばかりが多そうですね。その「糖質」は摂り過ぎるとどうなるのですか?

まずはやはり 肥満 に繋がります。摂り過ぎた糖は中性脂肪として体内にストックされます。「中性脂肪」と言うと、油が原因と思われる方も多いかと思いますが、実は使われなかった糖が中性脂肪となり、お腹周りなどに貯まっていってしまいます。

 

「虫歯」にも影響してきます。虫歯の菌は甘いものだけ、ではなく糖質全般を餌として増殖していきます。歯は失ってしまうと再生できませんので、気を付けなくてはなりません。

 

 あとは「糖尿病」です。糖質を摂ると、血糖値が上がっていきます。それを元に戻そうとインスリンというホルモンがすい臓から分泌されます。間を空けず糖質を摂り続けてしまって、すい臓が働き過ぎて疲れて異常をきたし、インスリンの量が減ったり、出なくなってしまいます。

 

最近耳にするようになった「糖化」にも要注意です。

 

Q.「糖化」ですか?

はい「糖化」とはいわゆる“焦げ付き”です。糖質とタンパク質がくっついて、熱が加わると焦げるのですが、ホットケーキを作ったことがある方は想像してみて下さい。小麦粉(糖質)に、牛乳・卵(タンパク質)を加えてフライパンで焼くと、こんがり焼き色がつきますよね。これが糖化です。

 

体内でも使われずに余った糖とタンパク質がくっついて、それが体温で温められることで糖化が起こるのです。

それが肌で起きるとシミやしわの原因になります。最近美容でも「糖化」が注目されています。これが血管で起きれば動脈硬化などを引き起こしたり、骨で起きると骨が脆くなる原因ともなります。

 

糖質はもちろん必要な栄養素ではありますが、摂り過ぎてしまうとこのように様々な悪影響を及ぼします。

 

Q.食事ではどのように気をつければ良いですか?

糖質は意識しないと、ついつい摂り過ぎてしまう傾向にあります。ポイントは2つです。

 

① 糖質でお腹をいっぱいにしない!

ごはんやパンなどの主食や甘いケーキなどは、たくさん食べるとそれだけでお腹いっぱいになりますよね。

でも身体自体はそんなに糖質を必要としていないのです。コンビニで、オニギリと一緒にお味噌汁代わりに、とカップ麺を買って食べたりしていませんか?

また「ご飯大盛無料」に、そっちの方が得だから、ですぐに大盛にしていませんか?

ちょっと冷静になって、糖質を摂り過ぎていないかを考えて下さい。糖質以外のものでお腹を満たすことを考えることで避けられます。

 

② 習慣を見直す

3時になると必ずお菓子を食べる、お酒を飲んだ後は、必ずラーメンを食べる、という習慣がある方、それは本当にいつも必要ですか?

何となく習慣化されている食生活を、糖質目線になって見つめ直してみて下さい。

 

Q.最後にメッセージを頂けますか

自分の身体は、自分が食べたものによって作られています。食べる物が溢れている今の時代、好きなものだけ食べていては健康であり続けることはできません。

現代は「糖質」が非常に手に入りやすい環境と言えます。この先も健康を維持するためには、食べるものを意識して下さい。食べ物を改善すれば、身体も応えてくれます。

ムリをすると続きませんので、できることから始めてみて下さい。