歯と口の健康は、健康寿命の延伸にもつながります!

 

6/4から始まる「歯と口の健康週間」に合わせて、新潟県の現状と取り組みについて、

県福祉保健部健康対策課・歯科保健係 村山梨奈(むらやま りな)さんにお話しを伺いました。

歯科保健係は、歯科保健に関する統計の調査や、虫歯予防の対策などを行っています。

 

 

Q.6/4~6/10は「歯と口の健康週間」とのことですが、詳しく教えて頂けますか?

 始まりは、昭和3年にスタートした「むし歯予防デー」です。

昭和33年から「歯の衛生週間」に変わり、平成25年から「歯と口の健康週間」になりました。

この週間は、皆さんに歯と口の健康に関する正しい知識を知っていただき、健康づくりに役立てていただくことを目的としています。

 

 

Q.この「歯と口の健康週間」に合わせて、県はどのような取り組みをしているのですか?

 今年は、「いつまでも 続くけんこう 歯の力」 をテーマに、お口の健康に関する知識を皆さんに知っていただくために、県内各地で歯科に関するイベントが開催されます。

また、県庁の庁舎内や県内歯科医院、スーパーに歯と口の健康週間の啓発POPを掲示し、よく噛むことを呼びかけます。

 

 

Q.このコーナーは「健康寿命」をテーマにしているのですが、歯と健康寿命は直接関わりはあるのでしょうか?

 はい、大いに関わっています。健康な歯と口を保つことは、私たちが「食べる」「話す」といった、健康な生活を送るための基礎となっています。自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命が長く、要介護でいる期間が短かったという研究報告もあるくらいです。

 

 

Q.なるほど。そのような調査結果が出ているのですね。

 歯を失う原因は大きく2つあります。「むし歯」と「歯周病」です。

比較的若いうちはむし歯が原因であることが多く、40代後半以降は歯周病が原因となることが多くなります。

歯周病は歯を失うだけでなく、糖尿病を悪化させたり、動脈硬化のリスクを高めるなど、全身に多くの影響を与えることも判ってきています。

 

Q.口の中の病気が、糖尿病や動脈硬化に関わってきてしまうのですね。

ところで、新潟県民の歯の状況はどうですか?こどもたちは非常に虫歯が少ないと聞いているのですが。

 そうなのです。

国の統計調査結果によると、新潟県の中学1年生(12歳児)のむし歯数は全国最少で、19年連続日本一を続けているのです。

また、県が独自に実施している歯科疾患実態調査によると、むし歯のない中学1年生の割合は84.4%と、過去最高を更新しました。

 

Q.それは誇らしい数字ですね!食後にしっかりケアしている成果ですな。他の世代はどうですか?

 工藤さんは、「8020(ハチマルニイマル)運動」をご存じですか? これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば満足のいく充実した食生活を送ることができると言われていることから、新潟県では8020達成を目標に様々な取組を進めています。

しかし、新潟県の8020達成者は39.1%で、全国平均の51.2%よりも低く、まだまだ対策が必要だと感じています。

 

Q.こどもは全国に誇るほどなのに、大人になるとそんな数字になっちゃうのですね。

そのような中、県としてはどのような取り組みを行う予定ですか?

 先ほどお話ししたとおり、本県の12歳児のむし歯数は全国一少ない一方で、8020達成者の割合は全国より低い状況にあり、成人期以降の取り組みが課題となっています。

 そこで、県では、生涯を通じた切れ目のない歯科保健対策を推進するため、今年度から大学や専門学校、企業を対象とした歯科健診や研修等を行うモデル事業を実施することにより、青少年期以降の歯科保健対策の一層の充実を図っていくこととしています。

 

Q.成人向けにもしっかり対策をしていくということですね。では最後に、メッセージをお願いします。

 歯や口が健康であることは、「食生活を楽しむ」、「会話を楽しむ」、「良い表情をつくる」など、日常生活を豊かに過ごすためになくてはならないものです。

 歯と口の健康を保つためには、家庭で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアを組み合わせることや、健康なお口でよく噛んで食べることが大切です。

今回の週間を機会として、ぜひご自身の歯と口の状態に目を向けて頂き、一生涯自分の歯で豊かな生活を過ごせるよう、健康を心がけて頂ければと思います。

 

健康寿命の延伸のために、是非虫歯や歯周病の「予防」を心掛けて下さい。