自分のためにも献血を!
今回は献血と健康寿命の関係、糖尿病予防に関して、
新潟県赤十字献血センター所長で医師の布施一郎さんにお話しをお聞きしました。
新潟県赤十字献血センターは県内の血液事業の拠点で、
新潟県の方々からご協力頂いた献血から輸血用の血液製剤を製造して保管しておき、
病気・怪我の手術で輸血が必要な方に、医療機関を通じて血液をお届けしている機関です。
新潟県内では
新潟市・万代シテイ、長岡市・千秋に献血ルームを設置しています。
また県内各所で献血バスを運行しています。
新潟県赤十字センターホームページ
https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/niigata/index.html
今回のテーマが献血ということで、リスナーから何通かメールを頂いたのですが、
実にいままで200回以上献血したという方もいらっしゃいました。
Q.なぜ献血は必要なのですか?
輸血に使用する血液は人工的に造ることができません。また長期間保存しておくこともできません。
しかし、手術等で輸血を必要とする方は、全国で1日に約3,000人いらっしゃいます。
新潟県でも毎日約130人が必要としています。
年間にすると実に全国で110万人、新潟県で4万6000人にも上ります。
患者さんによっては、一度に大量の血液を必要とする場合もあります。
このため、輸血に必要な血液を確保するには、一時期に偏らず、
全国で1日あたり約13,000人、新潟県で約200人の方に献血にご協力頂く必要があります。
Q.長期間保存できないので、常に新鮮な血液を確保するために献血が必要なのですね。
7月は献血の強化月間と伺いました。
はい。おっしゃる通り、輸血用の血液製剤は長期保存できませんので、年間を通じて安定的に確保する必要があります。
しかし、夏は長期の休暇があったりと、企業や大学・団体からご協力を得にくくなる時期なのです。
そこで厚生労働省と都道府県、日本赤十字社は、
7月を「愛の血液助け合い運動月間」 と定め、重点的に献血への呼び掛けを行っています。
期間中は全国各地で地域の方や学生、ボランティア団体のご協力を得て、
様々なイベントを開催して献血の呼びかけを行っています。
ラジオをお聴きの皆様も是非ご協力頂ければと思います。
Q.お話しをお伺いして、是非協力したいと思いました。
一方で、献血は人のためだけでなく、自分の健康のためにもなる、とも伺いました。
献血を行うと、自分の血液の検査結果を得ることができます。
自分の健康状態の確認ができるわけです。
血液センターでは、献血を行って頂いた方に感謝の気持ちとして、
ご希望の方に対し献血後2週間程で親展にて検査結果をお送りしています。
この検査結果では肝機能検査やタンパク量、コレステロール値、
糖尿病の指標のひとつでもあるグリコアルブミン値の他、
赤血球・白血球・血小板といった血球計数などが分かります。
この他にも、ご希望の方にはB型肝炎、C型肝炎、梅毒、成人T細胞性白血病のウイルスに対する抗体の検査結果に異常があった場合に限り、1カ月程で親展にて通知をしています。
Q.糖尿病予防との関連について、もう少し詳しく教えて頂けますか。
糖尿病とは血糖値が上がっていく病気ですよね。
自覚症状がなくても、検査成績で関連する値を見ることで異常が分かれば、早期に発見することができます。
献血の検査結果で分かる「グリコアルブミン」という項目は、
献血時の約2週間前からの血糖値の平均が分かるものです。
よく健康診断などで測る「ヘモグロビンA1c」は採血時の約1~2カ月前の平均となりますので、
より近い時期の血糖値の変化が分かるということになります。
Q.そういう点でも、若い年代の方にも是非献血をして欲しいですね。
血液の検査を普通にしようと思ったら、お金が掛かると思いますが、
無料で検査ができ、人のためにもなって。良いこと尽くめですね。
そう思います。
ただ最近は少子高齢化が進み、若い方の献血離れなどの影響で、
今10代・20代・30代の献血者数が10年間(2008年から2017年)で約35%(約98万人)も減少しています。
将来輸血に必要な血液の不足が懸念されています。
この状況の解決のためにも、若年層に向けての献血の啓発を積極的に行って、
将来の献血を支えてくれる10代・20代の方々に
献血という無償の行為を「当たり前」と感じてもらえるようにしたいと思っています。
献血文化をいかに継承していくか、ということが重要だと思っています。
Q.最後にリスナーにメッセージをお願いします。
先程もお話しいたしましたが、献血を行うと貧血、血液の病気、糖尿病、高脂血症、肝機能など
様々な病気の検査結果が分かります。
肝炎ウイルスを含めた感染症の検査結果も分かります。
定期的な献血を行うことは、自分自身の健康管理や、生活習慣病の予防にもつながります。
是非献血にご協力頂ければと思います。
献血は自分のためにもダイジ、ということですね!
皆さん、是非献血に行きましょう!