ちょっとした一歩から減塩を始めてみましょう!

 

今回は、新潟市の取り組みに関して、2週にわたってお送りします。

1回目は新潟市保健所 健康増進課の管理栄養士・平野なるみさんより

「減塩」に関してのお話しをお聴きします。

 

 

Q.まずは新潟市の健康課題に関して教えて頂けますか?

 

はい。新潟市では他の市町村と比べ、脳血管疾患と胃がんによる死亡比率が高いことが問題になっています。

この一つの要因としては、食塩摂取量が多い、筋子や塩鮭といった塩蔵品を好んで食べる、

ということが挙げられます。

 

 

Q.新潟はご飯もお酒も美味しいので、ついついすすんでしまいますよね。

  そこで新潟市が進めている対策を教えて下さい。

 

新潟市では減塩運動として、 「にいがたちょいしおプロジェクト」 を実施しています。

今回はその中で、この夏実施している「野菜 de ちょいしおメニュー」の取り組みをご紹介します。

 

この「野菜 de ちょいしおメニュー」というのは、

食塩3g未満、野菜120g以上を規準として考案した

減塩でもおいしく、野菜をたっぷり食べられるメニューです。

 

 

Q.食塩3gですか。実際食塩が多い、少ないというのはどれくらいの量を言うのですか?

 

1日の食塩摂取量の目標は、男性8g未満、女性7g未満ですので、

1回の食事でギリギリ摂れるのが3g未満と考えて設定いたしました。

 

ちなみに市が実施した調査では、男性の約8割、女性の約9割の方が

目標量を超えた食塩を摂取していることが分かっています。

 

 

Q.私も以前テレビ『なじラテ。』で塩分に関して勉強したことがありました。

気を付けないとすぐに8gなんて超えてしまうのですよね。

 

そうなのです。例えばカップ麺などは、スープをすべて飲んでしまうと、

本当にたくさんの食塩を摂取してしまいます。

 

 

Q.この「野菜 de ちょいしおメニュー」を、実際に食べられるお店があるようですね。

 

はい。今回メニュー提供のご協力を頂いているお店が市内にあります。

北区葛塚の「トラットリア ノラ・クチーナ」さん

北区新崎の「ラ・トラットリア・エストルト」さん

西蒲区下山の「農園のカフェ厨房トネリコ」さん

の3店です。

 

ノラ・クチーナさんでは、

今年度新たに新潟県立大学健康栄養学科の学生が考案した、

豊栄野菜のうまみを凝縮したソースを使用した包み焼きハンバーグと特製フォカッチャのランチセット。

 

エストルトさんでは、

平成29年度に同じく新潟県立大学健康栄養学科の学生が考案した、

髙儀農場さん自慢のトマトをたっぷり使用したジェノベーゼとタコライス。

 

トネリコさんでは、

今年度新たにお店が考案した、鶏肉と厚揚げのカラフル夏野菜煮やとうもろこし豆腐など、

野菜をたっぷり250g使用した定食。

 

をお召し上がり頂くことができます。

全店、8月31日までの期間限定での提供なので、是非一度行ってみて下さい。

 

 

Q.いまチラシを拝見していますが、どれもボリュームもあって美味しそうなのですね!

 

どれも塩分控えめで、野菜を美味しく頂ける工夫がしてあります。

例えばスパイスを利かせることで、食塩を抑えることができたり、

メインのメニューのみ食塩を普通に使うことで、味にメリハリをつけ

他のサラダなどが薄い味付けでも気にならずに食べられるという工夫がしてあります。

色々参考にして頂けることがあると思います。

 

 

Q.全てのメニューを減塩にするのではなく、その食事の中でバランスをとって減塩する、ということですね。

また野菜を多く摂ることもポイントなのですね。

 

はい。野菜、果物には 「カリウム」 という成分が多く含まれています。

このカリウムは、身体の中の余分な食塩を排出してくれる働きがあるのです。

 

 

Q.では食塩をたくさん摂っても、野菜をその分たくさん食べれば相殺してくれるってことですか !?

 

う~ん、相殺まではいかないですね。

やはりちゃんと摂り過ぎないような意識は持たないとダメです。

両方を進めることで、効果があると思います。

 

 

Q.野菜はどれくらい摂れば良いのでしょうか?

 

目標は1日350gとされています。

なかなかピンとこないと思いますが、目安は野菜の小鉢を5皿くらいと考えて下さい。

 

 

Q.5皿ですか!忙しいとお昼なんて、パンをかじりながら、みたいなことばかりなのですが…。

 

 

そこに是非野菜を1皿追加してみて下さい。

忙しいとついつい疎かにしがちですが、是非毎回の食事で野菜をしっかり摂る意識を持って下さい。

今回の「野菜 de ちょいしおメニュー」で、

どれくらいの野菜を食べれば良いのかというのも参考にして頂ければと思います。

 

 

Q.最後に、リスナーにメッセージをお願いします。

 

いつもはラーメンのスープをたくさん飲むけど、今日からは控えてみようかな、

お弁当だけでなく、サラダを1品加えようかな、

 

こんなちょっとした一歩一歩が「ちょいしお」に繋がります。

皆さんも是非「ちょいしお」を実践し、健康寿命を延ばしましょう。

 

 

今回は管理栄養士の平野なるみさんに、新潟市の減塩対策についてお聞きしました。

 

◎ にいがたちょいしおプロジェクト 第5弾 (新潟市のHP)

https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kenko/eiyou_syokuseikatu/choisio-project/choishio-5.html