今回のテーマは 「肝臓」 です。
肝臓は臓器の中で最も大きい臓器で、
「からだの化学工場」とも呼ばれています。
栄養を蓄えたり、代謝する役割や
有害なものを解毒したりする役割を担うなど、
重要な役割を果たしています。
いま忙しい現代人の中で、ある肝臓の病気が増えてきています。
お酒を飲む方はもちろん、
お酒を飲まない方も是非チェックしてみて下さい!
■ 脂肪肝
新潟大学の肝臓の権威・寺井教授に話をお聴きしました。
肝臓の病気と言えば、「肝炎」や「アルコール性肝障害」などがありますが、
寺井教授が警鐘を鳴らすのが「脂肪肝」です。
肝臓に脂肪がついて、いわゆるフォアグラ状態になったもので、
肝硬変などの肝機能障害につながる恐れがある状態です。
寺井教授
「食べ過ぎると過剰になって、肝臓に脂肪が溜まってパンクしたような感じになり、
ゆくゆくは肝炎になってしまうことが問題になっています。」
下図は2014年と2018年の肝硬変になった人の原因を示したグラフです。
「脂肪肝」は2014年には「その他」に分類されるほど少なかったものが、
2018年には5.8%と大幅に伸びています。
寺井教授によれば、カロリーの摂取量は変わっていない一方で、脂肪の摂取量が増えてきている、
昔に比べて脂肪肝が増えてきたことは、「食生活の変化」が理由のひとつだろうとのことでした。
脂肪肝は暴飲暴食・運動不足などの生活習慣が原因とされます。
年齢別にみると、男性は30歳くらいから、女性は50歳くらいから増加します。
■ 対策
肝がんのリスクも高まることから、早めに病気を見つけることが大切です。
エコー検査ですぐに結果がわかるそうです。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、
異常の初期は、ほとんど症状がありません。
忙しいから、と健診をスキップしてしまうと、
発見のチャンスを失ってしまいます。
いまは生活習慣の乱れが原因で、肝炎になり、肝硬変になる方が増えています。
是非しっかり検診を受け、異常値があったら早めに専門の医療機関に相談をして下さい。
(『 ゆうなび 』 2019年 7月 31日放送)