毎年10月は「がん検診受診率50%達成に向けた集中キャンペーン月間」です。
今月の『なじラテ。』は「胃がん予防」をテーマに取り上げました。
スタジオには
長岡中央総合病院副院長で消化器内科医の
佐藤祐一先生にお越しいただきました。
■ 「胃がん」は新潟県の課題のひとつ
ひとつデータをご紹介します。
厚生労働省「全国がん登録」によれば、
2016年の人口10万人あたりの「胃がんの罹患率」、
なんと全国ワースト1位は新潟県!
佐藤先生によれば、原因ははっきりしていないが、食生活で言えば、
やはり飲酒量と塩分が多い食事が要因として挙げられるとのことです。
■ 「ピロリ菌」?聞いたことはあるけれど
胃がんの原因で大きな要因として考えられるのがこちら。
「ピロリ菌」です。
みなさんも名前は聞いたことあるのではないでしょうか?
ピロリ菌は胃の粘膜に住みつく細菌です。
WHO(世界保健機構)は1994年に、ピロリ菌を「胃がんの原因」(「確実な発がん因子」)とする報告を発表しました。
佐藤先生によればピロリ菌に感染すると、かなり高い確率で慢性胃炎になってしまうそうです。
そして、この慢性胃炎の状況が長く続くと、
数パーセントの方が胃がんを発症してしまう恐れが出てくるとのことです。
■ ピロリ菌の有無の検査
そうなると、自分の胃の中に「ピロリ菌」はいるのか気になりますよね?
意外に簡単な検査で分かるそうです。
スタッフが体験してきました。
※ 本来は胃の内視鏡検査で、胃がんがないことを確認してから行うものですが、今回取材のために特別にご協力いただきました。
ご協力いただいたのは 佐藤先生がお勤めの 長岡中央綜合病院。
『なじラテ。』の町屋ディレクター(23)が体験したのは「尿素呼気試験」という検査方法でした。
① まずは専用の袋に息を吹き入れます。
② 続いて粒上の診断薬を水と一緒に飲みます。
③ 5分横になり、その後座った状態で15分待ちます。
この間、ピロリ菌がいる場合は試験薬が胃の中で反応します。
③ 最後に再度呼気を調べます。
薬を飲む前と後の成分を比べることで、ピロリ菌がいるかどうかを判定できるそうです。
これで終わり。全然怖くない検査ですよね。
■ 検査結果
さて検査結果です。町屋ディレクターの胃の中にはピロリ菌がいるのでしょうか??
長岡中央総合病院ではその日に分かるそうで、
今回は特別に検査室で検査結果を教えていただきました。
先程の呼気成分を比較。
ピロリ菌がいる場合は「+」、いない場合は「-」と表示されるそうです。
さて、結果はー
「-」でした。
つまり胃の中にはピロリ菌はいない、という検査結果でした。
安心して思わず手を合わせた町屋ディレクター。良かったね。
ここでスタジオのいっすねー!山脇さんから質問。
「そもそもピロリ菌はどれくらいの人の胃の中にいるの??」
佐藤先生によれば、日本人の状況として
ご高齢の方は多いが
佐藤先生の50代半ばくらいの年齢では40~50%、
町屋ディレクターの20代では10%くらいとのことです。
ピロリ菌は小さい頃に感染するのがほとんどですが、
その時の衛生状況が影響していると考えられています。
■ ピロリ菌がいる、と診断されたら?
佐藤先生によれば、1週間ほど薬を飲めば大体の人がピロリ菌を除菌できるそうです。
一時的に胃酸が増え、食道炎を起こしたり、胃の粘膜が荒れたりという症例も報告されていますが、あってもほんの一時的なもので、ピロリ菌を除菌することのデメリットはないと言っても問題ないそうです。
日本人の胃がんの99%はピロリ菌が原因と考えられています。
「ピロリ菌」を除去しても、胃がんのリスクがゼロになるわけではありませんが、
検査をし、「いる」と診断された場合に除菌することは、胃がんの予防につながります。
(2019年10月26日放送)