食欲の秋。美味しいものをたくさん食べ過ぎていませんか?
ついつい食べ過ぎているという方、「糖尿病」は大丈夫でしょうか。
予備軍含め、実に日本人の成人4人に1人が罹患しているといわれる「糖尿病」。
11/14は「世界糖尿病デー」、そして11月は「世界糖尿病予防月間」です。
全国各地の様々な場所が、糖尿病予防啓発のシンボルカラーのブルーにライトアップされます。
新潟でも新潟市中央区のNEXT21でライトアップが実施されています。
そこで11月のテーマは「生活習慣を見直そう 糖尿病予防」。
ゲストには
新潟大学大学院 医歯学総合研究科
山田 貴穂 (やまだ たかほ) 医師にお越しいただきました。
さすが、糖尿病予防月間に合わせ、青を基調にしたお洋服で登場。
山田先生は県内で様々な糖尿病予防の啓発活動を行っていらっしゃいます。
■ そもそも「糖尿病」って、どんな病気??
さて、「糖尿病」」の名前は皆さん聞いたことあるかも知れませんが、
一体どんな病気かご存知ですか?
糖尿病とは血糖値が必要以上に上がってしまう病気です。
血液中のブドウ糖・血糖が多いと、尿に糖が出てきてしまうので
「糖尿病」と呼ばれています。
具体的なメカニズムについて、山田先生に教えていただきました。
まず「すい臓」という臓器で、インスリンというホルモンが作られます。
インスリンは「ブドウ糖」を、肝臓や筋肉の細胞に取り込ませ、血液中の血糖を下げる働きをします。
ただし家族に糖尿病の方がいたり、食べ過ぎ、運動不足などの不摂生をしている、
また肥満などがあるとインスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなるという現象が起こります。
その状態が続いていくと、「糖尿病」を発症してしまうのです。
■ 糖尿病の症状は?
糖尿病になると、
尿の回数や量が増える、水がたくさん飲みたくなる、体重が減る、
などの症状が出てきます。
ただし初期では症状が出にくく、気付きにくいというのが怖いところ!
また自覚症状がないことで、数値が悪くても病院へ行かなかったり、
治療を始めたのに途中でやめてしまう方もいることが問題になっています。
■ 合併症
そして糖尿病で一番怖いのは、「合併症」です。
代表的なものが、糖尿病特有の「し・め・じ」と呼ばれる三大合併症です。
「し」… 神経障害 足のしびれ、感覚の鈍化、ひどい立ちくらみ など
「め」… 網膜症 目の奥の血管に悪影響を及ぼし、最悪の場合失明に繋がる場合も
「じ」… 腎症 進行すると透析が必要になってしまうケースも
その他にも心筋梗塞、脳梗塞、認知症、がん、歯周病など様々な病気に影響してくることが分かってきています。
■ どんな人がなりやすの?
ではこの糖尿病、どんな人がなりやすいのでしょうか?
山田先生によれば
基本的にはどんな人でも気をつけて欲しいのですが、
食べ過ぎ、運動不足、肥満の人
そして初期の症状が出づらいので、健診や人間ドックを受けていない人は
特に気をつけて欲しいとのことです。
またご家族に糖尿病の方がいる人は、さらに要注意です。
■ 予防方法
では肝心の予防法です。
① まずは食事を見直しましょう。
量も大切ですが、「バランス」も重要です。
- [主食]… ご飯、パン、麺類など炭水化物の多い食品
- [主菜]… 肉、魚、大豆などのタンパク質の多いおかず
- [副菜]… 野菜、海藻など 食物繊維やビタミンが多いおかず
これらをしっかりと、バランスよく摂ることが大切です。
またお菓子やアルコールの摂り過ぎにも注意しましょう。
「糖質制限」という言葉を聞いたことがある人もいらっしゃると思いますが、
炭水化物(≒糖質)も身体に必要なものですので、必要な量はしっかり摂ってください。
② 身体を動かすことも重要です
歩くなどの運動の他にも、日常生活での掃除や食事の支度などの家事も良い活動になります。
新潟だと雪かき良い運動になるとのこと。確かに結構汗かきますよね。
「運動」というとハードルを高く感じる方もいらっしゃると思いますが、
毎日の中で意識して身体を動かすだけでも、結構効果があります。
③ 健診や人間ドックをしっかり受けましょう
検査を受けることによって早期発見につながります。
糖尿病は発症すると、完治しない病気ですが、
早期に発見し、生活習慣を改めることで進行を食い止めることは可能です。
是非、生活習慣を考え、自分の身体と向き合ってみてください。
(2019年11月9日放送)