今年から食塩摂取の1日の目標量が低くなることをご存じですか?
そもそもいま自分が1日にどれくらいの食塩を取っているか考えたことはありますか?
新潟県は全国平均に比べ、胃がんや脳血管疾患で亡くなる方の割合が多く、対策として「減塩」が非常に重要になっています。
こうした中、県内各地で広がる “おいしい減塩” の取り組みについて取材を行いました。
■ 「減塩」を意識していますか?
厚生労働省は食塩の摂取目標量を、成人男性・女性とも現在より0.5gづつ減らし
男性 7.5g未満 女性 6.5g未満とします。
(現在は 男性8.0g未満 女性7.0g未満)
生活習慣病予防で、重要とされる「減塩」。
みなさんはどれくらい意識しているのでしょうか?
街で聴いてみました。
気にされている方もいましたが、どうしても薄味に物足りなさを感じてしまう方が多くみられました。
■ 一正蒲鉾の取り組み
「減塩」=おいしくない
こんなイメージを打破しようと研究を進めているのが新潟市の一正蒲鉾の研究開発課です。
塩分が多い練り製品のイメージ払拭しようと、
従来のものより減塩した商品を研究し、2010年から販売しています。
現在は減塩率を30~50%に高めた商品を10種類以上展開しているそうです。
しかし減塩商品開発の道のりは簡単なものではありませんでした。
味はもとより、かまぼこのあの弾力は食塩がないと出せないそうで、減塩をすると味と食感に「物足りなさ」が生まれてしまいます。
品質と味の両面でいかに塩を使わないでおいしいものを作るのか苦労に苦労を重ねてきました。
キーワードは、いかにおいしさそのままの減塩商品、を作るのか。
塩に代わる成分を開発し、独自の商品を開発しました。
主力商品のサラダスティックなどは、現在減塩商品のみを販売していますが、売り上げは好調。
減塩商品でもおいしさを感じてもらえている、と手応えを感じているとのことです。
■ 減塩
様々な病気のリスクが高まるという「食塩の摂り過ぎ」。
ではどのような危険性があるのでしょうか?
新潟県によれば、1日あたりの食塩摂取量は、1977年時では全国平均を大きく上回り、18gもありました。
県をあげての取り組みにより、大幅に改善傾向にあるものの、まだ全国平均には及びません。
新潟県福祉保健部健康対策課 重住主任は、
食塩を摂り過ぎると血圧が高くなり、動脈硬化が進んで脳卒中や心臓病を起こしやすくなると、
食塩を摂り過ぎることの危険性を説明してくれました。
下図は、新潟県民の食生活から分析した、食塩を摂り過ぎている新潟の方が、ついついやってしまうという10の習慣です。
食事は満腹になるまで食べる、ラーメンのスープを1/3以上飲むなど、
当てはまる方、要注意です!
■ ラーメンの減塩
新潟県民が大好きなラーメンにも減塩の流れが出てきています。
新潟市の人気ラーメン店「麺や 来味」で、減塩ラーメンの試食会が行われました。
新潟市が2017年から進めている「ちょいしお」プロジェクトの一環です。
新潟県立大学と市内の飲食店・スーパーと連携し、これまでも様々な減塩メニューを展開してきましたが、今回初めてラーメンが登場しました。
メニューを考案した新潟県立大学の玉川陽葉さんによれば、
香味野菜を多く使い味にアクセントをつけたことや、スープにとろみをつけて、口の中にスープの味が残りやすくしたことで、物足りなさを感じさせないように工夫したと話してくれました。
※ 今回のメニューは期間限定ですが、「麺や 来味」では通常メニューも減塩対応が可能とのことです。
企業や自治体の取り組みで拡がっている「減塩」の意識。
更に拡がり、気軽に美味しく減塩ができるようになっていくと良いですね。
(2020年 1月23日放送)