今回は「健康づくり県民運動 ヘルスプロモーションプロジェクト」について、
新潟県福祉健康部 健康対策課の重住京子さんにお話をうかがいます。
Q.あらためて「健康寿命」とは?
「健康寿命」とは、人の寿命において健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間と定義されています。「平均寿命」と「健康寿命」との差は日常生活に制限のある不健康な期間を意味するため、この期間が短い方が良いとされています。
Q.日常的な生活を自分で送れなくなってしまう期間のことを言うわけですね。
その差が大きくなっているのでしょうか?
少しずつは縮まってきているのですが、「平均寿命」と「健康寿命」との間にはまだ約10年差があるということで、この差を縮めていく必要があります。
Q.新潟県は大体どれくらいなのでしょうか?
新潟県の健康寿命ですが、男女とも平成22年と28年のものを比べますと、全国順位は上がってきております。
男性で平成22年度は36位だったものが、28年度には10位に。
女性は平成22年度は23位だったものが、28年度で11位となっています。
Q.どちらも順位が上がっていますが、まだ10年あるというこの差ですけども、まだまだ縮めていかないといけないと思うんですが、そこで始まったのが「健康づくり県民運動 ヘルスプロモーションプロジェクト」ということでこの番組にも度々取り上げております。あらためて、どんな運動でしょうか?
県では全国トップクラスの健康寿命を目指し、全ての人がいきいきと暮らせる「健康立県」を実現するため、県や様々な機関が連携した「健康づくり県民運動 ヘルスプロモーションプロジェクト」を開始しました。
健康寿命を伸ばすためには、まず県民の皆様に自分の健康や幸せと向き合う時間を作り、意識や行動を変えていただきたいと考え、毎日の中のほんのわずかな時間でも自分の健康を見つめる時間を持とうという呼びかけを始めました。
まずは自分のための健康時間を持ち、行動するきっかけとなるよう県民運動のスローガンとして「始めよう健康タイム」を掲げました。
Q.このヘルスプロモーションプロジェクト、具体的にさまざまなテーマも設定されているんですよね。
ヘルスプロモーションプロジェクトでは、「生きがい」「幸福度」を軸に、「食生活」「運動」「デンタルケア」「タバコ」「早期発見・早期受診」の5つのテーマを設定しました。
県民の皆様には健康づくりの大切さを改めて認識していただき、健康づくりのための具体的な行動につなげてほしいと考えております。
そこで5つのテーマごとにキャッチフレーズを作成しました。
まず食生活は「体が喜ぶ一皿を足そう」。
続いて運動は「意識ひとつで、すべてが運動になる」。
デンタルケアは「あなたのための歯のプロ」。
タバコは「タバコのない一服もある」。
早期発見・早期受診は「検診で未来の自分を見つめよう」です。
Q.具体的に確認させてください。まず「タバコのない一服もある」ですが、他のところで休むことができる、気分転換することができるよということでしょうか?
タバコ以外にも違う一服を見つけて、健康な体作りに向けて取り組んでいただきたいなというキャッチフレーズになります。
Q.私、自信があるのが運動。もともと結構運動をしているので。このキャッチフレーズの「意識ひとつで、すべてが運動になる」の「ひとつ」にはどのような意味を込められているのでしょうか?
ジムに行くというのもハードルが高いところがあるかと思いますが、普段歩いたりですとか少し走ったりとか、背筋を伸ばすことについてもひとつ意識することで運動になります。
Q.そして、デンタルケアは「あなたのための歯のプロ」ということですが、かかりつけの歯医者さんを持ちましょうよということでしたね。食生活が「体が喜ぶ一皿を足そう」ということでしたが、どうしてもラーメン一杯に一皿足すとしたらライスという可能性が私は高いのですが、そういうことではなくてということでしたね?
ラーメンとライスですと、主食と主食、炭水化物と炭水化物になるので、県としましては、主食と主菜と副菜のそろった食事というのを勧めています。炭水化物の主食とタンパク質源となるような主菜と、あと野菜のお料理、副菜を3つ揃えていただきたいと思います。
Q. 「早期発見・早期受診」に関しては、「健診・検診で未来の自分を見つめよう」。これにはどのような想いが込められているのでしょうか?
普段の健康診断はお勤めの方ですとかそういった形は必ず受けていらっしゃると思いますし、がん検診は会社で義務になっていないところもあるかと思いますので、普通の定期検診とがん検診とどちらも受診していただきたいという想いです。
Q. こういったテーマで新潟県としてはキャッチフレーズとともに広めるために、活動を行ってきているんですよね?
「ヘルスプロモーションプロジェクト」として、県民運動の周知のために昨年度は県内12地域でキャラバンやフォーラムを実施しました。県民の皆様にこの運動を知ってもらうためのチラシの配布や県民運動に関するアンケートを実施しました。
Q. 実際に県民運動やスローガンに対しての達成度や手ごたえはどのように感じていらっしゃるのでしょうか?
キャラバン・フォーラムに合わせて実施したアンケートの結果からは、スローガンについてどう感じたかの問いに対し、自分も健康について考える時間を持ってみようと思うと回答した人が一番多く、27.8%、次いで、わかりやすいが24.2%、はじめやすいが15.9%という結果でした。
この結果から、県民運動のスローガン「はじめよう健康タイム」は自分のための健康時間を持ち行動するきっかけになっているのではないかと思いますので、今後も引き続き、スローガンやキャッチフレーズの周知を行っていきたいと思います。
Q. 一方で、ラジオを聴いているリスナーも新年度ということで生活ががらりと変わったよという方もいらっしゃると思います。私も2年前まではニュース番組のキャスターを担当していて、昨年度からラジオやテレビの情報番組を担当するようになり、がらっと生活が変わりましたが、やっぱり変わりたての春先は慣れるまでに毎日疲れますし、いろいろとプレッシャー・ストレスもあると思いますが、こういう時は健康面に注意が必要だと思いますね?
慣れない生活で、生活リズムが乱れやすくなりますし、忙しくで時間がないと食事がおろそかになりがちかなと思っております。バランスが取れた食事ができなかったり、朝食を食べなかったりと食生活が乱れやすくなると思っております。
またストレスがたまると、イライラしたり眠れなくなったりして、体調を崩したり生活リズムの乱れにつながります。
Q. 一方で、春は新しいことを始めるのにいい時期とも言われていますよね。健康づくりのためにどんなことを始めるのがおすすめですか?
先ほどストレスがたまりやすくなるとお話ししましたが、ストレス解消のひとつとして運動をはじめてみてはどうでしょうか?これから春になり天候もよくなりますので、手軽にできるウォーキングなどを始めてみるのもいいかもしれません。またウォーキングでも取り組むのにハードルが高いということでしたら、まずは意識的に体を動かしてみてください。意識ひとつですべてが運動になります。
Q. 重住さんは運動をしているのでしょうか?
私もなかなか運動をする機会がありませんが、休みの日には子どもと外で遊んだり、近くのコンビニやスーパーには歩いて行ったり心掛けています。
Q. そういった日常生活の中で意識することでだいぶ違うよということでしょうか?
少しずつの積み重ねが大切になります。
Q. また生活リズムが乱れがちという話がありましたが、私も朝食を食べないことがあります。やはり食べないと良くないですよね?
生活リズムを整えるには、一日三食食べることが非常に大切になりますし、朝ご飯が脳のエネルギーになりますので、朝しっかり食べて頭を働かせて、仕事や勉強に取り組むということが大事となります。
もし、朝食を食べていないという方は、パンや果物、牛乳などでリズムを作るというのもいいことかと思いますし、今、朝食をとっていて、パンとコーヒーだけということであれば、やはりビタミンやミネラルの補給も体の調子を整えることには大事なことになりますので、乳製品や果物など手軽にとれるものを一つ加えるということも非常にいいことかと思います。
Q. いつもの食事に一皿足すというのが大事なんですよね?
それを心掛けていただきたいと思います。
Q. 新年度になりましたが「ヘルスプロモーションプロジェクト」について、目標や意気込みを聞かせてください。
昨年度は県民運動の開始とスローガンやロゴマークの周知のために、キャラバン・フォーラムを実施しましたが、今年度は県民の皆様が健康づくりの具体的な行動につなげていただけるよう、先ほどお話ししたキャッチフレーズを12地域で開催するイベントでスローガンやロゴマークの認知度アップと合わせて活用していきたいと思います。
Q. 最後に番組を聴いているリスナーにメッセージをお願いします。
毎日の、ほんのわずかの時間でも自分の健康を見つめる時間を持ち、健康づくりに一歩踏み出していただける場だと思っております。さあ、みなさんも「はじめよう健康タイム」!
―私自身も番組を通してお伝えするだけではなく、実践して健康な生活を送りたいと思います。