新型コロナウイルス対策で私たちの生活に変化が求められる中で、健康維持について考えます。
■健康維持のためのポイント「①運動量の確保、②バランスの良い食事、③デンタルケア」
緊急事態宣言が解除されましたが、私たちは「新しい生活様式」を実践しながら生活することが求められています。
新しい生活の中で健康維持のために気をつけたいポイントについて、生活習慣病に詳しい新潟大学医学部 内科の曽根博仁 教授は「今回の新型コロナウイルス対策はかなりの長期戦になりそうだ。今後の新しい生活様式のもとでも、家庭内や安全な場所で運動量を確保してもらうことや、バランスの取れた食生活の実践や歯磨きなどのデンタルケアをしっかりすることも必要ではないか」と指摘しています。
運動・食事・デンタルケアをそれぞれしっかり気をつけて健康維持をしていくことが、感染予防の観点からも生活習慣病予防の観点からも重要だそうです。
■運動不足の解消に向けて…
屋外活動も徐々にできるようになってきましたが、運動不足については特に心配ですよね。
新潟大学医学部の曽根教授は「必ずしもしっかりした運動、例えばジョギングやテニスといったものだけではなく、普段じっとせずにこまめに動いているということも意味がある」と話します。
そこで、自宅で簡単にできるトレーニングを紹介してもらいました。
① ふくらはぎの運動
・いすの背もたれにつかまり、足を肩幅くらいに開く
・かかとを床から持ち上げて、ゆっくりと下す
☆ポイント 足の指に力をいれて、床を踏む!
体験した関根苑子キャスターは「シンプルな動きですが、何回か繰り返すとふくらはぎの真ん中あたりにじわじわと効いている感じで、結構きつい」と話します。
② 腰の運動
・いすに浅く座り、足を肩幅くらいに開く
・目線は正面に向いたまま、遠くのものをつかむように手を伸ばす
・背筋を伸ばしたまま元の位置に戻る
※これを10回程度繰り返す
関根キャスター「前に伸びると、手先から背中、そして腰まで一気に伸びて、気持ちがいい」
若い人から高齢の方まで挑戦できて、強度が足りないという方は回数を増やすと効果が期待できるそうです。
■「新しい生活様式」食事では?
食事の時の「新しい生活様式」について、感染を広げないために料理は大皿ではなく小皿に分けるように示されています。
新潟県立大学健康栄養学科の村山稔子准教授は「小皿に分けるとどれくらい食べたのかが把握できるし、肉ばかり食べているなど、好きなものばかり食べているということがないようになると思う」と話します。また生活習慣病予防の観点からも効果的だと村山准教授は指摘します。
そこで、小皿に加えたい“免疫力アップ”が期待できる「人参ひらひらリボンサラダ」の作り方を教えてもらいました。
●材料(1人前)
・ニンジン…50g ・オレンジ…20g ・マヨネーズ、ヨーグルト、レモン汁…各10g
・干しブドウ…5g
●作り方
①ニンジンをピーラーでスライス
②好きなフルーツをカット
③ヨーグルト・マヨネーズ・レモン汁・干しブドウを入れて混ぜ合わせて完成!
★新潟県立大学 村山稔子准教授のおすすめポイント
「ニンジンはベータカロテンなどが含まれ免疫力アップにつながりビタミンも豊富なので体を整えて
くれる要素がたくさんある野菜」
また、買い物に行く回数もなるべく減らしたいところですが、その際の食材選びはどうしたらいいでしょうか?
新潟県立大学 村山稔子准教授は「ニンジンは日持ちがするが、日持ちのする野菜を上手に取り入れるのも大事。先ほど紹介したサラダも簡単な料理なので、そういったもので“手抜き”してもらっても構わない」とアドバイスします。
大事なのは、野菜を意識してとること。そして生活のリズムを整えるために、毎日同じような時間に食べることがポイントです。おうち時間を活用した健康促進を意識したいですね。
一方、新潟大学医学部の曽根教授は、「持病のある人が感染症の恐れや外出の自粛で通院をやめたり受診を我慢したりすることに注意してほしい。特に生活習慣病の通院や服薬を中断すると脳卒中や心臓病、腎臓透析など健康寿命を大きく縮める重要疾患をおこす恐れがある。かかりつけ医と連絡を取りながら、しっかり治療を続けてもらいたい」と呼びかけます。
おうちでしっかり体と向き合う自分やご家族の健康を考える機会にしてみてはいかがでしょうか。