今回は「肝臓」について考えます。実は「夏場の飲酒」で肝臓に負担をかけてしまっているかもしれないのです。危険性と対策を取材しました。
じりじりと照り付ける太陽。暑くなると飲みたくなるのが…。
「夏はね、ビールを飲まないと損した気分になりますよね」(50代)
分かります。炎天下に飲むビールが大好きです。ただ…。
「飲むって決めた日は10杯くらい」(20代)
「運動したあとで、水も飲みたいんだけど、我慢してビール」(60代)
その飲み方、肝臓に負担かけていますよ!警鐘を鳴らすのは保健師の小坂智恵子さんです。
【健康保険組合連合会新潟連合会 小坂智恵子保健師】
「暑くなると、昼間に給水しておかないといけないのに、夜飲むビールが美味しくなるようにと、水分補給を我慢するタイプの人がいるじゃないですか。そういう人たちは、脱水が起こる可能性も」
肝臓は、栄養を蓄えたり、有害なものを解毒したりする役割などを担っています。アルコールを分解するのも肝臓の仕事のひとつ。そこで必要になるのが水分です。
【健康保険組合連合会新潟連合会 小坂智恵子保健師】
「アルコールだけでは給水したことにならないのです」
小坂さんによると、例えば1リットルのビールを飲むと、1.1リットルの水分が出ていってしまうということです。
汗が出やすい夏は、特に脱水症状に注意が必要です。またマスクで、のどの渇きを感じにくいため、脱水になりやすく、肝機能の低下やめまい、ふらつきを引き起こす可能性が高いということです。そこで肝臓に負担をかけないために、小坂保健師は時間を決めての水分補給、アルコールを摂取する前に水や炭酸水を飲むことをすすめています。
【健康保険組合連合会新潟連合会 小坂智恵子保健師】
「適量を守っていただくこと。ビールなら500㏄まで」
県の調査によると飲酒習慣のある人は22.6%で、県民の5人に1人が適量を超えた飲酒をしているということです。
そこで小坂保健師は、一日のアルコールの適量を守ることをすすめていて、お酒が飲める体質の人はアルコール量およそ20グラム。ビールだとロング缶1本、日本酒1合が目安で、女性はその半分ほどだということです。
アルコール量をチェックするにはお酒の量に、アルコールの度数、アルコール比重をかけると出すことができます。1日20グラム、一週間で140グラムを超えないことが重要だということです。
加えて、一緒に食べる「おつまみ」の選び方にもポイントがあるそうです。
【健康保険組合連合会新潟連合会 小坂智恵子保健師】
「夏場は水分の多いものをおつまみとして意識してもらうといいかなと思います。お豆腐とか生野菜とか簡単に食べられるものでいい」
また、食物繊維が豊富なイモ類などもお酒と一緒に食べることでアルコールの急激な吸収を抑えてくれるということです。
水分をしっかり摂る。お酒の量やおつまみを考える。上手なお酒の飲み方で夏を楽しみたいですね。