今回は、新潟大学大学院 歯学博士 小野高裕教授にお話しをうかがいました。
○ポイント
・11月は「にいがた健口文化推進月間」。新潟県歯科保健推進条例の第13条に規定されていて、
県民一人一人が歯や口の健康に関する正しい知識を持ち、毎日の歯・口腔の管理や定期的な歯科検診を
習慣として続けてもらうことを目的として始まった。
・小野教授は、「包括歯科補綴(ほてつ)学」分野が専門。
口の中の健康を保つこと、しっかりと噛めることなど高齢者の健康やQOLにどれだけ効果があるのかを
研究している。歯が抜けてしまった場合、口元の表情が変わってしまうが、入れ歯などを装着することで
ハリを取り戻し、表情が改善するケースもある。口の健康は、食べる、しゃべるだけではなく、
心の健康にもつながる。
・特に65歳以上の方で、口の機能が衰えてくると、「オーラルフレイル(口の衰え)」が進行し、
食事が出来なくなることもある。例えば、噛めない食べ物が増えてくる。食べている時にむせてしまう。
無意識に食べこぼす、活舌が悪くなるなどがオーラルフレイルの兆候。
人間は加齢とともに様々な機能が衰えていくが、兆候を早く見つけて手を打てば、悪くなる前に
食い止めることが出来る。オーラルフレイルも同様で、口の元気を維持し、体全体の元気を維持することが
できる。
・噛む力については、若い人でも弱くなっている人がいる。普段、やわらかいものばかり食べていると、
噛む力が弱くなっていく。硬いせんべいや生野菜、リンゴなどが噛めなくなっていたら、歯科医に相談を。
またゆっくり、たくさん噛むことは、食べすぎの防止や胃腸の働きの促進にもつながる。
・小野教授の研究室では企業と協力し、噛む回数を歩数計のように計る「バイトスキャン」を開発。
噛む回数が与える影響などを研究している。噛めば噛むほど「満腹中枢」が刺激される。
肥満の人は噛む回数が少ない人も多い傾向がみられるとのこと。
また、年を取ると飲み込む力(嚥下機能)が低下していくが、十分に噛まずに飲み込むと
のどに詰まりやすいので注意が必要。一度、歯科医院などで確認してもらうのが良い。
歯ブラシの使い方、歯周病のケアなども一度歯科医院で相談するのが良いと思う。
【放送内容はこちらから(11月1日(月) 放送分)】
【放送内容はこちらから(11月8日(月) 放送分)】
【放送内容はこちらから(11月15日(月) 放送分)】
【放送内容はこちらから(11月22日(月) 放送分)】