今回は、厚生労働省 障害保健福祉部精神・障害保健課依存症対策推進室 依存症対策專門官で
精神科医の松井佑樹さんとNPO法人ASKの塚本堅一さんにお話しをうかがいました。
○ ポイント
■ 「依存」・「依存症」とは
- 「依存」とは特定の何かに心を奪われて、やめたくてもやめられない状態になること。大きく分けると2種類。
- アルコールや薬物などの物質にのめり込んでしまう「物質への依存」
- 物質ではなくギャンブルなどの行為にのめり込んでしまうような「行為への依存」
- 「依存症」とは、依存の状態のために、物質や行為をやめたくてもやめられない状態になってしまい、それ以外のことができなくなったりして、社会生活や日常生活に支障をきたしてしまう病気。
- 依存が形成されると、最初は楽しむ程度だったものが、今まで以上の量が必要になったり(耐性)、やめたり減らしたりすると手が震えたり不安になったりイライライしてしまう(離脱状態)。
- そこから逃れるために、さらに依存してしまい、悪循環に陥りコントロールがきかなくなっていく。
■ 依存症になりやすい人は?
- 傾向として、助けを求めるのが苦手な人や、自己肯定感の低い人は依存症になりやすいと言われているが、依存症は誰もがなりうる「病気」。本人の意志の弱さや性格のためになるわけではない。
■ 高校生へ向けて
- この放送収録前に新潟市内の高校3年生に講演を行った2人は、パチンコやパチスロなどのギャンブルのほか、アルコール、そして、スマホゲームの課金など、様々なものへの依存について警鐘を鳴らした。高校を卒業し、新しい世界に飛び込む生徒たちには、環境の変化から依存症の危険もはらむ。
- 自分で気を付けなければならないことが多くなる。
■ ご自身やご家族が、依存症かな?と思ったらー
- 塚本氏は危険ドラッグの所持製造で逮捕された経験がある。その際「自分ひとりで解決しなくては」とひとりで抱え込み、うつ状態になってしまった。しかし、病院と繋がり、同じように薬物で失敗した人と一緒に依存症回復プログラムを受けたことで、「人に頼ってもいいんだ」と思えるようになり、すごく気持ちが楽になったという。また依存症を誤解していたことが分かった。
- 依存症の回復には、孤立させないことが大切で、ご家族や周囲の支えが不可。
- それにはみんなが、依存症は誰もが罹る可能性があるとともに、治る病気であることを理解し、偏見をなくすことが大切。
◎ ご自身や身近な人が依存症かもしれないと思った時には、ぜひ相談窓口や専門医量機関、自助グループなどにお問い合わせください。必ずあなたの力になってくれます。
新潟県・新潟市の相談窓口
新潟市以外にお住まいの方
新潟精神保健福祉センター
℡ 025-280-0113
新潟市にお住まいの方
こころの健康センター
℡ 025‐232‐5560
受付時間:土・日・祝日、年末年始を除く
月曜日~金曜日 午前8時30分~午後5時
【放送内容はこちらから(12月20日(月) 放送分)】
【放送内容はこちらから(12月27日(月) 放送分)】