ラジオネーム: いちご大好きさん (お子さん2歳3ヶ月)

 

質問:支援センターなど、子どもが遊ぶ場所に行くと、よくおもちゃの

   取り合いになります。どこで止めたらいいのかとても迷います。

 

Q:言葉や感情が発達してくると、こういった事はよく起こりますが

  発達段階として、どのようなことが考えられますか?

A:お子さんの発達段階を考えてみましょう。赤ちゃんが9ヶ月に近ずくと、

  お友達におもちゃを取られると、「うえーん」と、泣きながらママに訴えに

  来ます。中には取られたおもちゃを取り返しに行くタフな赤ちゃんもいます。

  11ヶ月頃になると遊んでる時、他の子が近ずいて来ると、おもちゃを自分

  の方に引き寄せ、おもちゃを取られるかも知れないと言う相手の行動を読む

  力が育つんです。そして1歳を過ぎるとおもちゃの取り合いの喧嘩が始まる

  んですね。2歳になるとイヤイヤ期が始まりますし、言葉も少し話せるよう

  になりますので、ダイナミックなおもちゃの取り合いの喧嘩になるんです。

 

Q:親がとるべき対応は?

A:おもちゃの取り合いが始まっても親御さんは、慌ててお子さんの喧嘩を止めない

  で、まず落ち着いて、危険がなければ口をださず見守って下さい。

  おもちゃの取り合いは、自分の物も他人の物も区別できない乳児さんにとって、

  自他の認識を促す絶好のチャンスです。

 

Q:どんな声掛けをしたらいいですか?

A:とかくママ達は「お友達の遊んでいるおもちゃを取ってはダメでしょう。

  お友達に返しなさい。そして、お友達にご免なさいでしょう」で、片づけて

  しまいがちですがそうではなく、「どうしたの?」と、お子さんに尋ね、

  お子さん達の話をしっかり聞く事ですね。お子さん達の話を良く聞いた上で、

  どこが悪いのか、どこが間違っているのかについて、毅然とした態度で、

  お子さんに分かる言葉で話をしてあげて下さい。

 

Q:お友達に手を出してしまったらどうしたらいいですか?

A:お子さんが遊んでいるおもちゃをお友達に取られ、お友達を叩いた時、

  お子さんの気持ちにいなって、「遊んでいるおもちゃ取られて嫌だったん

  だよね」と、まず共感します。その上でお子さんに「でもね、お友達を

  叩かないで返してと言えば良いんだよ」と教えてあげて下さい。

  遊んでいるおもちゃを取ったお子さんには、「そのおもちゃ欲しかったん

  だよね。そのおもちゃ大好きだもんね。でも欲しかったら黙って取らないで、

  「貸してね」と言って、お友達が「いいよ」と言ったら使うんだよ。

  黙って取るのは良くないよ」と、繰り返し教えてあげて下さい。

 

Q:取り合いがおさまった後はどんな言葉をかけたらいいですか?

A:「二人とも仲良しの握手をしましょう」と言って、握手をさせて下さい。

  その後でお子さん達が仲良く一緒に遊べたら良いなと、親御さんは

  思いがちですが、さにあらずで、あんなにダイナミックにおもちゃの

  取り合いの喧嘩をしたのに、お子さん達はその取り合いしたおもちゃに

  執着することなく、別の場所で別のおもちゃで別の遊びを始めます。

  これが乳児さんの遊びの特徴なんですね。