ラジオネーム: こりんさん(お子さん3歳)
質問:元々話す時期も早く、話し上手な娘なのですが、最近、急に「きょ、きょうね・・」とか
「わ、わ、わたしね・・」と吃るようになりました。 どんどんひどくなっていくものなのでしょうか?
治すにはどのようにしたらいいのでしょうか?また、今後、娘との接し方、
注意する事はありますか? アドバイスお願い致します。
Q:お話上手な娘さんが急にどもり出したのには原因があるのでしょうか?
発症しやすい年齢などはありますか?
A:九州大学の菊池良和先生の著書によりますと、吃音を発症するかどうかは、
もって生まれた体質によるところが大きく、脳の働き方に癖がある。
言語の中枢は左脳にあり、吃音のある子はない子に比べて左脳の活動は低く、
代わりに右脳の活動が盛んになっている。
吃音はお子さんの言葉が増えていく年に発症し易くなる。
これは頭の中でいっきに増えていく言葉に口がついていけない為、
吃音が始まるのがREILLYの研究結果で分かった。2歳~4歳児の5%に
吃音が発症し、半数以上が小学校に入学する前に治るが、成人の1%は吃音がある。と書かれています。ですから幼児期に始まった吃音の8割は、自然に治ります。
成人になっても100人に1人は吃音が残るというのも事実です。
Q:症状は変化していくものなのでしょうか?
A :菊池先生の著書によりますと、吃音と言っても常に言葉がつかえる訳ではない。
すらすら話せる時もあれば、たどたどしくなる時もある。それが吃音を持つ子に
とって、当たり前の状態と書かれています。
以前私が勤務していた保育園で、2歳児の男のお子さんが、最初まばたきすなわち
チックを始めたんですね。そうこうしている内に吃音を発症しました。
そこでママがお迎えに来られた時に、保育園でのお子さんの様子について
良く話し、家庭でのお子さんの様子を聞き、当時の施設、子ども相談センターに
行ってもらい、指導を受けているうちに自然に吃音は治まりました。
その子ども相談センターは、現在は新潟市立児童発達支援センター「こころん」です。
Q:お子さんにはどのように接したらいいでしょうか?
A: まずお子さんの話に耳を傾けて、お子さんの話したい気持ちを育ててあげるように
して下さい。お子さんが人前で話したいことを話すのはいいのですが、
無理をさせない事ですね。それと同時に吃音を隠そうとしないで、周囲の人に
理解して貰えるよう、取り組んで行く事が大切です。例えばお子さんが話し始めた時、
お子さんの話をしっかり聞いてやり、お子さんが話し終わるまで口をはさまないで、
聞いてやる事が大切です。大変だとは思いますが、吃音をお子さんの個性の一つと
して受け止められたら良いですね。それとお子さんの良い所を探して、良い所、
得意とするものが見つかったら、ママはお子さんをいっぱい褒めてやり、
自信になるよう伸ばしてやることです。
Q:これから注意する事はどんなことですか?
A: 親御さんは大勢の人のいる場所で、お子さんに無理に話をさせないことですね。
お子さんが話だした時、「ゆっくり落ち着いて話して。」と言ったり、
「ま、ま、○○ちゃんがね」とお子さんが話し始めると、「○○ちゃんでしょう。
もう一回言って」と、言い直しをさせないで下さい。それと、ママはお子さんの
吃音はご自分が、厳しくお子さんを叱るせいだと勘違いをしている人もおられます。お子さんの吃音はママが厳しく叱ったせいではありません。決してご自分を
責めないで下さい。
Q:専門的なところはどこに相談したらいいでしょうか?
A:新潟市の言葉と心の発達相談実施施設は、先程紹介しました新潟市立児童発達支援
センター「こころん」です。ここは平日は朝8時30分~17時30分迄です。
土曜日は朝8時30分~12時30分迄です。日曜、祝祭日はお休みです。
TELは、025-247-6532です。行かれる時はアポイントを取って、
予約をされてから、親子で一緒に行かれて下さい。施設に行かれますと、
言語治療専門の先生方から指導を受ける事によって、お子さんの吃音は治ると
思います。ママはお子さんに決して不安な様子を見せないで下さい。
尚新潟市の他の区の人は新潟市が発行しているスキップで調べてください。
新潟市以外の方は最寄の市役所、区役所にお問い合わせください。