さて、前回は逆接の接続助詞「~ろも」を勉強しました。
これは、共通語でいう「~だけど」とか「~だが」を意味する表現でしたね。
ところで、新潟弁の接続助詞というと、
「~ろも」以外にも「~てがんに」があります。
「~ろも」が「~だけど」「~だが」を意味するのに対し、
「~てがんに」は「~なのに」を意味します。
ですから、「洋服を買って来てあげたのに一度も着ない」と言う場合も、
新潟弁ですと、
「洋服こうて来てくれたてがんにいっぺんも着ね」と言えばいいのです。
(スキット)
(夫)おう、かあちゃんや。ちと来てくれや。
(妻)何だね。
(夫)ほれ、床の間の花瓶が倒れて水でびっちょびちょんなったすけ、
何か拭くがん持って来てくれっか。
(妻)ちょっとおめさん、なんでこんげ事んなったんだね。
(夫)いや、俺がゴルフのパターの練習しったったら、
球が花瓶の方に転がって倒してしもたんさ。
(妻)何ね、誰がこんげ部屋でゴルフの練習なんかしよばね。
(夫)雨降ってし、他に練習出来そげな部屋ねかったすけや。かんべ。
(妻)せっかく俺が綺麗な花こうて来て、上手に飾ったてがんに、
おめさん何かしてんだね。
(夫)また、ほれ、水拭いてや、花、花瓶に差せばいいねっか。
そんげ怒んなや。
(妻)おめさんってほんね、人の好意こと無にするんだいねぇ。
(夫)何だってか。
(妻)この前も俺がおめさんのために秋もんの洋服こうて来てくれたてがんに、
いっぺんも着ねねっけ。
(夫)あんげセンスのわぁり色のがん、しょうしで外に着て行がんねわや。
(妻)ほんね、おめさんといると俺張り合いがねぇて。
(近藤アナより注意)
尚、このコーナーで紹介している言葉は、
主に新潟市とその周辺で使われている方言ですが、
それでも、世代や地域によって、
使い方、解釈、発音、アクセントなどに
微妙な違いがある事を御了承下さい。
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