今回は、推量の意味の「ろ」について勉強しましょう。
推量の表現は未来を予想する時に使われる表現で、共通語では、語尾に「~だろう」とか「~でしょう」をつけて言います。
しかし、新潟弁では、「~だろう」「~でしょう」ではなく「ろ」を使い、「あなたより若いでしょう」と言う場合は、新潟弁では「おめさんよりわぁけろ」、「あなたより若い人だろう」と言う場合は、新潟弁では「おめさんよかわぁけしょらろ」と言います。
(スキット)
(夫)おう、かあちゃんや。ないとぅさんの御主人ってどんげしょらや。
(妻)面長でしかもかいい男らし、人柄もわぁりしょでねぇわ。
(夫)ないとぅさんは、何べんもうち遊びに来てるろも、御主人いっぺんも挨拶した事ねぇて。年いくつら。
(妻)年かね。おめさんよかわぁけろ。
(夫)50ぐれらか。
(妻)いや、そこまでわぁこねぇて。60いったかいがねかぐれらろ。
(夫)仕事何してだ。
(妻)会社員らろ。ないとぅさんのうち遊び行った時、御主人背広着て帰って来たすけ。おめさんとはさまざまの意味でちごうて。
(夫)何が言いてんだや。
(妻)ないとぅさんの御主人、着てる背広もセンスがいいしさ。きちっとしてて紳士らがね。とにかく品があるがね。
(夫)何だや。俺に品がねぇみてらねっか。
(妻)品なんてねぇねっけ。おめさんがあのしょにおうたら、しょうしで一緒にいらんのらるろ。
(夫)ちぇっ。いられるわや。
(近藤アナより注意)
尚、このコーナーで紹介している言葉は、主に新潟市とその周辺で使われている方言ですが、それでも、世代や地域によって、使い方、解釈、発音、アクセントなどに微妙な違いがある事を御了承下さい。