今回は「しかも」の使い方について勉強しましょう。

例えば、「まだ店の外にかなりたくさん並んでいる」という文を

新潟弁で言うとどういい方になるでしょうか。

新潟弁では「かなり」という意味で「しかも」という言い方を使います。

ですから、「まだ店の外にかなりたくさん並んでいる」という文は、

「まら店の外にしかもいっぺ並んでる」という言い方になります。

「しかも」を「しかもか」と言っても構いません。

とにかく、この言葉は、慣れないと、動物の鹿を連想してしまい、

「しかもいっぺ並んでいる」と聞いて、

「動物の鹿も沢山並んでいる」と誤解しがちです。

気を付けましょう。

(発音練習)

「しかもいっぺ並んでる」

「しかもいっぺいたな」

「しかもいいがんつこてる」

「しかもか何べんも来てる」

(スキット)

(山本)とうちゃん、ばかうまそげに食べんねぇ。そんげうんめかね。

(夫)おお。ここの食堂の生姜焼きほんのきにうんめんだて。

おめも食うてみれて。

(山本)俺はこの野菜炒め定食で充分らて。

この店、とうちゃん、しかもか何べんも来てんだろ。

(夫)そういんだ。いっつもここの店来っと生姜焼き頼むんさ。

味もいいろもつこてる豚肉もいんだがね。

(山本)そうみてらね。この前も誰らったかが言うったったて。

ここの店、豚、しかもいいがんつこてる言うて。

(夫)だすけ、客がしかもかいっぺ来るろ。

(山本)いっぺ来るどころか、まら店の外にしかもいっぺ並んでるがね。

(夫)なにや、どれ。おお、おお、ほんのきらな。

しかもいっぺいたな。何分待ちらろっかな。

(山本)はよ来ていかったて。待たねで座られた。

(夫)俺がこの店のよう知ってるすけや。

込む時間避けて来たんだわや。俺何べん来てると思う、この店。

(山本)さすがらね。だてに何べんも来ていねわ。

(近藤アナより注意)

尚、このコーナーで紹介している言葉は、

主に新潟市とその周辺で使われている方言ですが、

それでも、世代や地域によって、

使い方、解釈、発音、アクセントなどに

微妙な違いがある事を御了承下さい。 

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