今日は「なにさ」の使い方について勉強しましょう。
前回は、人の発言や質問を「違います」と打ち消す場合、
「ちごて」とか「ちごわね」とか「ちごてば」という言い方が使われる事を勉強しました。
ところで、相手の発言内容を強く否定する際、
まず「なにさ」という言葉を付ける事が多く、
「違いますよ」とはっきり強く言う場合は、
「なにさ、ちごうて」とか「なにさ、ちごうわね」と言うのです。
ちなみに「なにさ」は標準語に直しにくい言葉ですが、あえて訳すなら、
標準語の「何をおっしゃいますか」がそれにあたるかもしれません。
(発音練習)
「なにさ、ちごうて」
「なにさ、ちごうわね」
「なにさ、ちごうてば」
(スキット)
(山本)おや、自分、ひさーしぶりらねぇ。
(男性)はい?どなたですか?
(山本)なんだね。俺の事へぇ忘れてしもたんだけ。俺なんて山本に決まってるこて。
(男性)山本さん。すみーません。分かりませんて。
(山本)なにもうぐれた事言うてんだね。
おめさん、清水君らろ。うちの会社に昔勤めったった清水君らろ。
(男性)なにさ。人違いですて。俺なんて清水でねぇですて。
(山本)ははははは。清水君、自分、冗談言うんだ場もっとおもしぇ冗談言うんだ。
自分、俺んとこの職場にいたったねっかね。
確か一昨年うちの職場辞めたんだいねぇ。
(男性)なにさ、すみませんろも、人違いですて。
お宅の会社がどごらか分かりませんろも、
私なんて会社辞めた事なんていっぺんもありませんて。
(山本)なにね。ほんのきなんだけ。おめさんほんのきに清水君でねんだ。
(男性)なにさ。全然違いますて。そせば、急いでいますすけ、失礼します。
(山本)あ、自分自分。そうらそうら。思い出したわ。
おめさん清水さんでねわ。俺が勘違いしったった。
おめさんこの前俺のうちの風呂こと直しに来た業者のわぁけ兄ちゃんらいねぇ。
(男性)いい加減にしてくんなせや。
わぁりですろもいっぺんもおうた事がねんですて。失礼します。
(山本)ふしーぎら。あのしょそうすっとだっらろっか…。
(近藤アナより注意)
尚、このコーナーで紹介している言葉は、
主に新潟市とその周辺で使われている方言ですが、
それでも、世代や地域によって、
使い方、解釈、発音、アクセントなどに
微妙な違いがある事を御了承下さい。
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