アドバイザー:新潟中央短期大学 教授 石本勝見さん
ラジオネーム:みねらるん さん
小学2年生の娘さんと小学1年生の息子さんをお持ちのお母さんです。
2年生のお姉さんの方が、夏休み前、「お腹が痛い」とか「風邪みたい」ということで
学校を休むことが何度かありました。でも、休んだ日は、家で元気にしています。
「もう元気になったみたいだから、学校行く?」とか「学校に行ってお友達と遊んだら
元気になるかもよ」などと言っても「行かない」と言います。
そんなことが続くと悪いと思い、以前、強く言って学校まで送って行ったことがありましたが、
そのときは大泣きしていました。夏休みを挟んだら、そんなこともなくなるかな、
と思っていましたが、また、「具合が悪い」と言って行きたがりません。
9月に入ってから、もう4日も休んでいます。長女が学校へ行った日は、
「今日学校どうだった」と聞いても「普通だった」と答えます。
弟は活発なのですが、長女はあまり自分の気持ちを言えない性格で、気にする性格なので、
友達のことで何かあるのか、このまま不登校になってしまうのではないかと心配しています。
どうすれば学校に行きたくなりますでしょうか?
お答え:まず、皆さんも納得されることと思いますが、「そこに行ったら何か楽しいことがある、
いいことがある」という期待感があれば、早起きでも何でもして行きますよね。
なので、「どうすれば学校に行きたがるか」ということに関しては、子供がそういう風に、
学校に期待を持てるようになることが大事なんですが、これがなかなか難しい訳なんですね。
こういった場合ですが、本人は、まず、自分が学校に対してそういった期待を持てていない、
楽しいことやワクワクするような期待感がないなあ、とそのことは自分でも分かるんですね。
ところが、ではなぜ自分が学校に行くのが嫌なんだろう、嫌いと思うんだろうということは、
自分でもよく分からないことが多いんですね。
それは勉強であったり、友達がちょっと意地悪をしたとか、先生にちょっと叱られたとか、
そういった細かいことはあるんですけれども、本人自身は、よく分かっていないんですよ。
ただ分かっているのは、行けばまあ普通だということと、行く前は、身体の具合が悪くなる、
と言っているんですね。私は身体と心は繋がっていると思っているんですが、
これは、身体の方は、「あなた毎日そんな風に学校なんかに行っていると、身体を壊すよ。
休みなさい。」というサイン、メッセージを送っているんですね。
それが、風邪みたいとか、具合が悪い、ということなんですね。
だから、こういう場合っていうのはお医者さんに言っても、風邪だとか原因が良く分からない、
心の方から来る症状でしょうっていうことを良く言われるんですけれども。
分かることは、本人は言語化しませんけれども、なんだかやっぱり大変そうだと、
いうことは分かるんですね。良く小学校高学年や中学生などで、下痢をするとか、
高熱を出すといった症状を示す子も居ますよね。
なので、身体が具合が悪いという場合は、「ズル休み」ではなくて、心理的な面で、
何か自分が越えられない大きな事柄を抱えているかな、という風に思うことが大事ですね。
だから、強く言えば行けるとか、そういうことではないんですね。
もっと分かりやすく言いますと、
「あと1歩でしょう、もう99歩まで来てる、もうあと1歩でしょう」と皆こう言いますよね。
その1歩が100歩なんです。
周りから見ればもうあと少しなんですが、そこが難儀といいますか、大変、
そのことを理解してあげることが大切なんですね。
それから、周りから見れば「そんな小さなこと」なんて言われることがたまにあるんですが、
それは本人の心の受け止め方ですし、これはあまり周りから言っても仕方ないんですね。
それで、どうしたらいいかということなんですが、私は子供というのは、
今生きるのに必要なことをしているんだと思っているんです。
子供本人のなかにも、「行こうかな、やめようかな」という葛藤があるんですね。
そういう時に、子供の中で元気が出るような、力が出るような手助けをしてあげる。
今回のお子さんの場合は、出来ないことがある、毎日学校へ行くことが出来ない、
今月に入ってもう4日休んでいる、それは確かに心配ですが、
今月ももう20日になるわけですから、学校へ行った日の方が上回っているじゃないですか。
それ良いよね、と、そういうプラスの点を見てあげることです。
また、休んだ日だって、家の中では元気に過ごしている、
それだって、ふさぎこんだり、泣きながら過ごしているよりはずっと良い訳です。
あとは、学校の先生と良く相談することです。何度も言いますが、
学校が楽しければ行くんですから。親御さんだけで抱え込まないことも大切なことですよ。