2021年4月30日放送
障害者が作る虫歯ケアスプレー "宇宙行き"候補に
「自分たちが携わった仕事が、"宇宙"で採用されるかも...」 予想外の知らせを受けたのは、新潟県阿賀野市で虫歯予防や口臭を防ぐスプレーを作っている障害がある人たちでした。
阿賀野市にある障害者就労支援施設「あおぞらソラシード」。ここに通っている人たちが取り組んでいるのは、口臭や虫歯予防のスプレー「オーラルピース」の製造です。
７年前から横浜の化粧品会社から製造の委託を受けて、液体をボトルに詰める作業から梱包、発送までを担っています。去年１２月、チームにビッグニュースが飛び込みました。
【ＮＰＯ法人あおぞら 本多佳美理事長（４４）】「早くみんなに伝えたいなと思いましたし、本当に大喜びするだろうと思っていた通りの反応で、宇宙という言葉で『わー』って盛り上がりました」
「オーラルピース」が、国際宇宙ステーションで使われる虫歯予防グッズの候補に選ばれたのです。
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「聞いた時は心に響いたというか、『え、宇宙！？』ってすごくびっくり、自分の中でも」
宇宙では水がとても貴重なため、歯磨きをする時にうがいをせず、歯磨き粉を飲みこんでしまう宇宙飛行士もいるそうです。ＪＡＸＡは、こうした宇宙での課題を解決するグッズを募集していました。その候補に選ばれたのが、場所を選ばず使える「オーラルピース」です。
【記者リポート】「ミントが優しくて、ひりひり感がないのでお子さんでも使えそうです。でも、ミントのスッキリ感もちゃんとあって、お口の中がさっぱりします」
抗菌液は九州大学と、横浜の会社「トライフ」が開発。おからの中にいる乳酸菌がつくる「ナイシン」という抗菌成分と、梅エキスが配合されていて、虫歯菌に効果があるそうです。植物由来なので、飲み込んでも安心なスプレーが誕生しました。宇宙への切符は、オーラルピースの立ち上げから販売まで手掛けている手島代表が、ＪＡＸＡに応募したことがきっかけでした。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「地域で働く障害者のことや、それを支える方たちのこと。そういった人たちが脚光を浴びて、みんなが一つの夢に向かって、本当にいいことをやって取り組んでいくってことがシェアできるように、一人一人の顔が思い浮かびました」
オーラルピースを作っているメンバーは１０人。それぞれ知的障害や、自閉症などの障害があります。ボトルに液体を詰めていく作業は正確性が求められますが、メンバーの集中力はピカイチです。
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「ちょっとのミスもできないので、やっぱりそこは気を付けて作っています」
【あおぞらソラシード 吉澤駿さん（２１）】「みんなで協力しながらやらなきゃいけないので、チームワークとか声掛けは大事だなと思っています」
今では全員がスムーズに作業をしていますが、ここまでになるにはメンバー一人一人が練習を重ねたからです。
【ＮＰＯ法人あおぞら 本多佳美理事長（４４）】「それぞれ障害特性をお持ちなんですけれど、それぞれの特性にあった作業に入ると本当に集中して、飽きずに、私たちがやるよりも正確に仕上げてくださいます」
例え障害があっても自分たちができることをやることで、自信や責任感が生まれてきました。
【あおぞらソラシード 横野永遠さん（２２）】「『買ってよかったな』って思ってもらえる商品を作りたいですね」
こうしたみんなの思いが、商品の確かな品質につながっています。
【あおぞらソラシード 小池真希さん（４９）】「毎日こう成長していく姿が目に見えて、すごく私の方もうれしく毎日仕事を一緒にしています」
オーラルピースを立ち上げた手島代表は、自身の子どもも障害があり、障害者の工賃アップに力を注いできました。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「みんなが助け合えば障害もプラスに変えられるような、そんな勇気をもたらすような取り組みが、今回の宇宙の話から広がっていったらいいな」
あおぞらソラシードでは、年間１万本を製造。オーラルピースは彼らなしでは語れません。「宇宙行き」の候補に挙がったことにメンバーは...。
【あおぞらソラシード 横野永遠さん（２２）】「びっくりしましたね、最初。お母さんやおばあちゃんとかに電話とかで報告しましたね。『すごいじゃん』って言われました」
「オーラルピースには、僕たちの夢が詰まっている」と書いた色紙をＪＡＸＡに送りました。
【あおぞらソラシード 國分柊汰さん（１９）】「宇宙に行くってこういうことですか」
【あおぞらソラシード 酒井政典さん（３１）】「見えないところでみんなすごく頑張っているところなので、そういうところがみなさんに認めてもらえるというのはすごくうれしい」
ＪＡＸＡは安全性などを検証中で、５月末に搭載できるかどうか正式な決定が発表されます。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「『宇宙に行く日は近いよ』ということを、みんなに伝えたいですね」
【あおぞらソラシード 吉澤駿さん（２１）】「自分たちが作っているオーラルピースが宇宙に行くのは本当に楽しみで、自分たちが宇宙に持って行くんじゃなくて、他の方がやってくれると思うので、できれば実現してもらいたいな」
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「楽しみです。気になっています。とても気になります」
みんなの夢が詰まったオーラルピース。宇宙飛行士が使っている姿が近い将来、全世界に映し出されるかもしれません。
阿賀野市にある障害者就労支援施設「あおぞらソラシード」。ここに通っている人たちが取り組んでいるのは、口臭や虫歯予防のスプレー「オーラルピース」の製造です。
７年前から横浜の化粧品会社から製造の委託を受けて、液体をボトルに詰める作業から梱包、発送までを担っています。去年１２月、チームにビッグニュースが飛び込みました。
【ＮＰＯ法人あおぞら 本多佳美理事長（４４）】「早くみんなに伝えたいなと思いましたし、本当に大喜びするだろうと思っていた通りの反応で、宇宙という言葉で『わー』って盛り上がりました」
「オーラルピース」が、国際宇宙ステーションで使われる虫歯予防グッズの候補に選ばれたのです。
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「聞いた時は心に響いたというか、『え、宇宙！？』ってすごくびっくり、自分の中でも」
宇宙では水がとても貴重なため、歯磨きをする時にうがいをせず、歯磨き粉を飲みこんでしまう宇宙飛行士もいるそうです。ＪＡＸＡは、こうした宇宙での課題を解決するグッズを募集していました。その候補に選ばれたのが、場所を選ばず使える「オーラルピース」です。
【記者リポート】「ミントが優しくて、ひりひり感がないのでお子さんでも使えそうです。でも、ミントのスッキリ感もちゃんとあって、お口の中がさっぱりします」
抗菌液は九州大学と、横浜の会社「トライフ」が開発。おからの中にいる乳酸菌がつくる「ナイシン」という抗菌成分と、梅エキスが配合されていて、虫歯菌に効果があるそうです。植物由来なので、飲み込んでも安心なスプレーが誕生しました。宇宙への切符は、オーラルピースの立ち上げから販売まで手掛けている手島代表が、ＪＡＸＡに応募したことがきっかけでした。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「地域で働く障害者のことや、それを支える方たちのこと。そういった人たちが脚光を浴びて、みんなが一つの夢に向かって、本当にいいことをやって取り組んでいくってことがシェアできるように、一人一人の顔が思い浮かびました」
オーラルピースを作っているメンバーは１０人。それぞれ知的障害や、自閉症などの障害があります。ボトルに液体を詰めていく作業は正確性が求められますが、メンバーの集中力はピカイチです。
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「ちょっとのミスもできないので、やっぱりそこは気を付けて作っています」
【あおぞらソラシード 吉澤駿さん（２１）】「みんなで協力しながらやらなきゃいけないので、チームワークとか声掛けは大事だなと思っています」
今では全員がスムーズに作業をしていますが、ここまでになるにはメンバー一人一人が練習を重ねたからです。
【ＮＰＯ法人あおぞら 本多佳美理事長（４４）】「それぞれ障害特性をお持ちなんですけれど、それぞれの特性にあった作業に入ると本当に集中して、飽きずに、私たちがやるよりも正確に仕上げてくださいます」
例え障害があっても自分たちができることをやることで、自信や責任感が生まれてきました。
【あおぞらソラシード 横野永遠さん（２２）】「『買ってよかったな』って思ってもらえる商品を作りたいですね」
こうしたみんなの思いが、商品の確かな品質につながっています。
【あおぞらソラシード 小池真希さん（４９）】「毎日こう成長していく姿が目に見えて、すごく私の方もうれしく毎日仕事を一緒にしています」
オーラルピースを立ち上げた手島代表は、自身の子どもも障害があり、障害者の工賃アップに力を注いできました。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「みんなが助け合えば障害もプラスに変えられるような、そんな勇気をもたらすような取り組みが、今回の宇宙の話から広がっていったらいいな」
あおぞらソラシードでは、年間１万本を製造。オーラルピースは彼らなしでは語れません。「宇宙行き」の候補に挙がったことにメンバーは...。
【あおぞらソラシード 横野永遠さん（２２）】「びっくりしましたね、最初。お母さんやおばあちゃんとかに電話とかで報告しましたね。『すごいじゃん』って言われました」
「オーラルピースには、僕たちの夢が詰まっている」と書いた色紙をＪＡＸＡに送りました。
【あおぞらソラシード 國分柊汰さん（１９）】「宇宙に行くってこういうことですか」
【あおぞらソラシード 酒井政典さん（３１）】「見えないところでみんなすごく頑張っているところなので、そういうところがみなさんに認めてもらえるというのはすごくうれしい」
ＪＡＸＡは安全性などを検証中で、５月末に搭載できるかどうか正式な決定が発表されます。
【トライフ 手島大輔代表（５１）】「『宇宙に行く日は近いよ』ということを、みんなに伝えたいですね」
【あおぞらソラシード 吉澤駿さん（２１）】「自分たちが作っているオーラルピースが宇宙に行くのは本当に楽しみで、自分たちが宇宙に持って行くんじゃなくて、他の方がやってくれると思うので、できれば実現してもらいたいな」
【あおぞらソラシード 佐藤周さん（２２）】「楽しみです。気になっています。とても気になります」
みんなの夢が詰まったオーラルピース。宇宙飛行士が使っている姿が近い将来、全世界に映し出されるかもしれません。