坂部友宏「五輪メダリストの栄誉について」
2017年1月28日 12:20
あの感動のリオ五輪から、だいたい半年。
ようやく2017年になったと思ったら、もう2月がやってきます。
時がたつのは早い。
次の五輪は、言わずもがな、TOKYO2020。
あっという間に2020年になりそう。
陸上ファンであり、男子4×100mリレーの東京での日本金メダルをすでに予想している私としても、
楽しみで仕方ありません~。
(でもやっぱりちょっとまだ早いか
)
そんな折、
オリンピック関連でいや~な話題が。
まだ確定じゃないですが・・・。
2008年北京五輪の陸上男子4×100mリレーの日本の銅メダルが
なんと銀メダルに格上げされるかもしれないというニュース。
理由は、金メダルチーム・ジャマイカの失格発表(ジャマイカメンバーの1人が禁止薬物に陽性反応)です。
日本が繰り上がりで銀メダルになるかも。
いやいや・・・、なんですかソレ
はっきり言って、「何を今さらそんな話を・・・」ですよね。
あの北京五輪の感動の銅メダルが銀メダルに変わったとして、今飛び跳ねて喜ぶ人、いないですよね。
アンカー朝原宣治さんは、銅メダルに対して、バトンを天にほうりなげて喜んだんです。
本当に見ていて気持ちよかったし、みんながうれしかった。
あの感動は、リオでのあの日本・リレー銀メダルというさらなる感動に続いていた・・・。
同じ北京金メダルチームのメンバーが失格になってしまった、ジャマイカのウサイン・ボルト選手は
もう金メダルを返還したんだそうですね。
もっとも、今回のケースはまだ話が確定していません。
当事者の選手は裁判で争う方向だとか。
ひとまず今回の話は別にしたとして、
過去のケースをひも解くと、
似たようなかたちで、繰り上がってメダルの色が変わったっていうのは珍しくありません。
私が最も強く記憶に残っているのは、(もちろん多くそういう方がいらっしゃるでしょうが)、
2004年のアテネ五輪の陸上男子ハンマー投げ。
室伏広治さんは金メダルです。
すご過ぎます。
日本の五輪史の超輝かしい1ページです。
ただ、その金メダルは、室伏さんはあとからもらったんです。
五輪の表彰式でもらったのは銀メダル。
金メダルの選手があとからドーピング検査でひっかかって、
室伏さんは、金メダルをあとから受け取り直す・・・。
室伏さんが誇らしく金メダルを受け取ったシーンは、見ることはありませんでした。
金メダルだったのに・・・。
陸上競技の大ファンの私としては、
金メダルの歓喜とともに、やはり否定できない悔しさも残っています。
見ている私たちまでもが誇らしく思えるであろう、室伏さんへの金メダル授与シーンは、
五輪史にはありません。
事実は金メダル。でも金メダル授与の映像はない。
なぜなら、大観衆の中で行われる栄誉の表彰式は、たったの1回。やり直しはないからです。
違う・・・。
あとからって・・・
メダルは、表彰式で受け取ってほしい
五輪メダリストが晴れの舞台で得られる栄誉・・・、それはメダルだけじゃないと思うんです。
メダルを、華々しい表彰式で受け取ること。
メダルの色にふさわしい位置の表彰台に立ち、
正しい色のメダルを受け取り、
スタジアムから、そして世界中から拍手喝采を受けること。
・・・これだと思うんです。
メダルをとって、あとから違反が判明してメダルをはく奪されたケースが過去にも多くありますが、
「違反だったんだから、メダルを返せば済む」というだけの話ではないんです。
二度と訪れない五輪の表彰台という、かけがえないのないシーンを汚し、
オリンピックファンを裏切り、後味の悪さだけを残します。
4位から、あとから繰り上がって銅メダルの選手も当然います。
絶対、一瞬はこう思うでしょう。
「俺も表彰台にのぼりたかった」
ですから・・・、心から思う。
皆さんそうですよね。
メダルの繰上げなんてなくなってほしい。
反・ドーピング
こんな話題が出ると、つくづくそんなことを思うのです。
日本人はさすが、ドーピング失格なんてありません。
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