2021年2月3日放送

十人十色のニットを末永く サステナブルファッション(前編)

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今回はサステナブル=持続可能なファッションがテーマです。工夫しながら「長く愛されるものづくり」をしている、新潟県内の取り組みを取材しました。

細やかな編み目で、柔らかな生地。高い技術で生まれたニットは、何年も着続けられるといいます。

【記者リポート】
「寒い冬の時季、毎年着続けられる一着を求めにニットのまち、五泉市にやってきました。こちらの会社には、国内トップクラスの技術があるそうです」

五泉市で創業66年の老舗・高橋ニット。年間10万着のニットを生産。その多くが東京からの注文で、主に百貨店などに並んでいます。

7年前、この工場から生まれたあるブランドがファンを増やしています。オリジナルブランド「toiro」です。名前に込めたのは、どのニットも十人十色、それぞれの着こなしができること。toiroを手掛ける、小林友さん(47歳)です。

【テクスファーム 小林友副社長】
「着やすくて、何年も使えて、飽きのこない。それぞれ着る人の体型に沿った形になるような」

雑誌の編集などを手掛ける小林さんと、高橋ニットの代表・高橋慶至さん(41歳)がタッグを組み、様々な年代が着られるニットブランドを作り上げました。toiroのニットは年齢にとらわれず長く着られるように、シンプルなデザインで統一。着心地の良さを追求しています。

【記者リポート】
「生地がふんわり暖かいです。しっかり厚みがあるんですけれど、とっても軽いんです」

どの商品も男女どちらでも着ることができ、同じニットでも着た人それぞれが違った雰囲気を演出できます。

高品質の国産のニットは、価格が高くなる傾向にあります。そこで、toiroはデザインから製造・販売・PRまで全て自分たちで行っています。そうすることで広告費などが削減され、ニットの価格を抑えています。さらに...。

【高橋ニット 高橋慶至代表】
「一つ一つの行程を確実にきちんとこなしていくっていうことが、最終的に長く着られる製品につながっていると思いますので、地道に一つずつやっていくっていうところでしょうか」

リンキングといわれる工程では、ニットを縫い合わせて伸縮性を強化。そうすることで、首元などの伸びやよれを防いで、長く着続けられます。こうした高い技術とこだわりが、ニットを長く楽しんでもらう後押しをしています。

【テクスファーム 小林友副社長】
「多くの人たちに、ワードローブの中にすんなりと溶け込んで、何年も着続けられるというものが重要かなと思います」

【高橋ニット 高橋慶至代表】
「これだけ、たくさんのものが世の中にあふれている時代かと思いますので、その中でも作り手の思いを伝えて、一着を大事に、長く使っていくっていうようなことを実践していただけたらと思っています」

※サステナブルファッション(後編)<「売れるの?」からの米袋エコバッグ>に続く

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