2021年2月3日放送

「売れるの?」からの米袋エコバッグ サステナブルファッション(後編)

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今回はサステナブル=持続可能なファッションがテーマです。工夫しながら「長く愛されるものづくり」をしている、新潟県内の取り組みを取材しました。

※サステナブルファッション(前編)<十人十色のニットを末永く>からの続き

【記者リポート】
「私が持っているバッグ。ちょっと変わっているんですが、『新潟米』ということで、米袋でできたバッグなんです」

米袋を再利用したエコバッグ。インパクトのある見た目で、全国から注文が相次いでいます。米袋バッグ、誕生の地は南魚沼市。コメどころの知恵が、斬新なバッグを生み出しました。バッグを作っているのは、南魚沼で暮らすお母さんたちです。

NPO法人を運営する、川島亜紀子さん(41歳)です。7年前、米袋バッグの発案者から活動を引き継ぎました。

【NPOみんなの庭 川島亜紀子代表】
「米袋のデザインがこんなにたくさんあって、なのに捨てちゃうのってもったいないよねって。これって地域資源だよねっていうところから、この活動がスタートした」

米袋は、米の重さに耐えられるよう頑丈に作られているため、捨てる時にたたみづらいという難点がありました。しかし、バッグに変身すると...。

【記者リポート】
「2リットルのペットボトルを2本入れてみます。かなり重たいのですが、大丈夫でしょうか。実際に持ってみると、感触はやっぱり紙です。しっかり紙が支えてくれていて、底が抜けるような感じもありません。丈夫です」

米袋は、ハリのある3層の紙でできていて、軽くてとても頑丈。そして大容量を兼ね備えているため、エコバッグに最適です。バッグは全ての工程が手作り。紙は布と違って硬いので、ミシンの位置を微調整しながら縫っていきます。使っている米袋は近くの農家や飲食店から、要らなくなった袋を集めています。

【NPOみんなの庭 川島亜紀子代表】
「もともとの袋を生かしながら形にしているだけなので、シワの一つ一つだとか、使用済みの汚れ具合だとか、またそこにも魅力を感じてもらえると楽しいかなと思っています」

米袋そのままの味を醸し出す、検品シールが残っている商品も人気だといいます。

【エコバック製作者 青木泉さん】
「(米袋は)見慣れちゃっているので、『売れるの?』っていうのは正直なところでした。やっぱり視点を変えると、オシャレかな」

【エコバッグ製作者 島田綾香さん】
「自分の作ったものを誰かが使ってくれていると思うと、頑張ろうみたいな」

もったいない精神から始まった活動が、人々を魅了しています。

【NPOみんなの庭 川島亜紀子代表】
「今はいろいろものが安く手に入って、壊れたりすぐ新しいものって替えるかもしれないけれど、そうじゃなくて、使い終わったけれどまた何かできるかなとか、そういう着眼を持って商品を楽しんでもらいたいなと感じます」

日々の生活でモノを大切に使おうと意識を少し変えるだけで、私たちの気持ちや暮らしを豊かにしてくれます。

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